研究課題/領域番号 |
26370497
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研究機関 | 宮城学院女子大学 |
研究代表者 |
木口 寛久 宮城学院女子大学, 学芸学部, 准教授 (40367454)
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研究分担者 |
高橋 将一 一橋大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70547835)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / 第一言語獲得 |
研究実績の概要 |
平成26年度においては、具体的な研究課題であるcleft構文とそれに関する再構築現象の理論的分析を本研究の基礎調査として行ないながら、実証実験の計画を立てた。そして、(1)の例文のような束縛原理C、 (2)の例文のような数量詞による代名詞束縛についての実験を行った。 (1)It was John that he washed. (2)It was his mother that everybody kissed. Reeve (2011, 2012)の主張を踏まえ、これらの解釈の同一性は再構築現象によるものだとの理論的想定に立ち、研究代表者、海外共同研究者により、実験計画を立案した。そこで、上記の数量詞束縛において、(2)と語順関係は同一にも関わらず束縛が働かない一般的な文の実験を行うことが不可欠と考え、さらに(2)と語順関係は同一にも関わらず束縛が働かない一般的な文(いわゆる弱い交差の文(3))を実験パラダイムに組み込むこととした。 (3) His mother kissed everybody. 当該年度中に、海外共同研究者が、所属するマクワリー大学(シドニー・豪州)・CCD(ARC Centre of Excellence in Cognition and its Disorders)にて英語を母国語とする幼児を対象にTruth Value Judgement Taskを用いた実証実験を遂行した。そして、(1),(2),(3)全ての文のタイプにおいて、被験者は大人同様の意味解釈を割り当てることができることが確認された。この実験で得られた今年度の研究成果を国際学会(The International Conference on Language Form and Function中国・蘇州大学)にて発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は具体的な研究課題であるcleft構文とそれに関する再構築現象の理論的分析を本研究の基礎調査として行ないながら、実証実験のパラダイムを立案することが出来た。更に立案した3つの文タイプからなる実験を首尾よく遂行することができ、期待通りのデータを収集することが出来た。そして当初の計画で目標に掲げていたとおり、年度内に国際会議にて研究成果の発表も行うことが出来たため、本研究プロジェクトはおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては、今年度に実証実験で得られたデータに研究分担者と海外研究協力者と共に検討分析を加えて、1本の論文として、まとめ上げ、国際学術雑誌への投稿を目指す。 さらに、平成27年度は、引き続き再構築現象についての実験を海外研究協力者と共に継続的に計画し、当該年度中に、海外共同研究者が所属するマクワリー大学(シドニー・豪州)・CCD(ARC Centre of Excellence in Cognition and its Disorders)にて英語を母国語とする幼児を対象にTruth Value Judgement Taskを用いた実証実験を遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は研究分担者の都合により、海外研究協力者が所属するマクワリー大学(シドニー・豪州)・CCD(ARC Centre of Excellence in Cognition and its Disorders)への4日間の研究打ち合わせが実現しなかった為、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、研究代表者が研修休暇を得ることが出来たので、マクワリー大学(シドニー・豪州)・CCD(ARC Centre of Excellence in Cognition and its Disorders)への比較的長期あるいは複数回の滞在が可能となる。その海外旅費に次年度使用額として充当する計画である。
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