本プロジェクトの最終年度となる平成28年度は前年までに得られた実験結果をもとに海外研究協力者とともに、その成果を一本の論文にまとめることができた。執筆にあたり、特に研究代表者ならびに研究分担者は、具体的な研究課題であるcleft構文が再構築現象を伴う分析の正当性、さらに焦点化された要素が関係節から移動したとする本研究の根本的想定となる分析を強固とすべく理論的研究を推進した。特にCleft構文がPseudo-cleft構文から派生すると主張する競合分析に対して、焦点化された要素が関係節から移動したとする本研究での想定の正当性、優位性を主張することを試みた。並びに海外研究協力者とともに再構築現象の第一言語獲得実験による数少ない先行研究を再度検証し、本プロジェクトによる実験成果の優位性や独自性を再度確認検討する作業を行った。 執筆した論文は本プロジェクト終了後の平成29年以降に国際学術雑誌への掲載を目指すこととなる。また、本プロジェクトの実験結果がProceedings of the 40th annual Boston University Conference on Language DevelopmentにThornton、Kiguchi&D'onorfo(2016)として、今年度、掲載された。なお、前研究プロジェクトより継承継続したPseudo-cleftに関する再構築現象を扱った実験研究成果が、国際学術雑誌Studia Linguisticaに原著論文として掲載された(Kiguchi & Thornton 2016)。
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