本研究は、メタ言語能力の発達過程を文献調査と実験により解明し、その結果をもとに、メタ言語能力の発達過程に対応した言語教育システムを開発することを目的とするものである。さらに、研究成果の社会への還元を目的に、教員を対象としたワークショップ及び一般を対象とした講演会を定期的に開催する。 また、本研究を遂行するためには小中高の教員との協働作業が不可欠であるので、かねてから研究上の交流がある教員の協力を仰ぐ。研究結果はできるだけ迅速に教室での実践に試用してもらい、その妥当性を確かめる。 今年度の研究成果として、以下がある。①メタ言語能力の発達に関する、これまでの調査結果を整理した。この結果、メタ言語能力の発達の形態が明確になり、その基盤にある認知能力の発達との関連についてもある程度の見通しを立てることができた。②小中高の教員の協力を得て、メタ言語能力の発達過程に対応した言語教育システムの開発を継続した。③教員を対象としたワークショップ及び一般を対象とした講演会を開催した。いずれも多くの参加者があり、充実した催しとなった。④研究成果を論文及び一般向けエッセイとして発表した。⑤本研究の成果を盛り込んだ書籍の出版準備を行った。2018年度中の出版を目指している。 今年度は本研究の最終年度にあたるので、本研究の成果を引き継ぐ研究プロジェクトの構想を立てた。今後はメタ言語能力の発達を念頭に、学校英文法と学校国文法の連携を目指す研究を進めていく。
|