研究課題/領域番号 |
26370511
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
金 慶珠 東海大学, 教養学部, 准教授 (60349420)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 批判的談話分析 / メディアフレーム / ナショナリズム |
研究実績の概要 |
平成27年度の研究は、当初の計画に基づいて「報道資料の検索・収集」を中心に進められた。 その結果、1998年から2015年までの日本の5大新聞(朝日・読売・毎日・産経・日経新聞)における日韓の歴史認識問題関連記事・計5,435点を収集し、分野別の整理(靖国、慰安婦、教科書、竹島問題など)を終えた段階である。 基本的な分析の枠組みとしては平成26年度の成果を引き継ぐ形でデータ分類を行ったが、注視点と視座の異同のみならず、談話としての話者の主眼点を導き出すための工夫が必要であるとの新たな課題が浮上した。この点を踏まえ、今年度はより詳細な分析の枠組みを工夫しながらの作業が続いたが、平成28年度はその完成度を高めることに努めることにしたい。 なお、分析データの範囲を1998年度からに限定した理由は、現在進行中の歴史認識問題のメディアフレームが形成された時期を考慮したためであるが、テーマによってはそれ以前報道フレームに大きく影響されてている場合も見受けられる。しかしながら、異なるテーマに対する分析枠の整合性を図るためには、現在のフレーム構築に至る経緯を参考にしながらも、必ずしもそれらのデータ全てを直接の分析対象とする必要性はないとの判断に至った。この点についてのさらなる考察も残された課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画に比べると資料の分析に想定以上の時間がかかっている。データに対する分析枠の適用に加え、質的考察をどこまで行うのかに対する調整が必要であり、期限内の作業完遂に向けて引き続き努力したい。
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今後の研究の推進方策 |
来年度の研究課題は、専ら膨大なデータ解析の作業を中心に進める。分析枠の微調整やデータ範囲の設定など、その方法論における課題は依然として残っているものの、期限内の研究遂行に向けた効率的な作業を心掛ける必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
2015年度の外国出張(2016年2月29日~3月3日)の日程がが現地取材源の都合により急遽短縮されたため。当初5泊6日の予定が3泊4日となり、短縮された日数分の経費(宿泊費および日当等)を払い戻した。また、残りの金額については、当初3月中に支払う予定だった研究協力者への支払金が、研究協力時間の短縮等により余ることとなったが、これも年度末だったため、次年度への繰り越しとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度においてもその用途に変更を加えることなく、外国出張および研究協力者への支払いとして継続的に使用する計画である。
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