研究実績の概要 |
3年計画の最終年であるH28(2016)年度では,(a)データ変換支援システムの作成,(b)危機言語コーパスシステムの仕様作成,(c)その仕様の紙媒体による公開,(d)動向調査が,活動目標として研究計画調書に挙げられている.このうち,(a)(b)(c)については昨年度の報告書にあるよう,1年次に計画よりも早く成果が挙げられたことから2年目である昨年度に目標計画を修正している.(d)については順調に成果を上げることができた.また,新たな目標とした決められた(e)言語資料フォーマットの策定,(f)言語ドキュメンテーション全般の課題の洗い出しについては,LREC2017とICLDC5の国際学会での発表内容や未発表のものも合わせてそれなりの成果を出すことができた.また(g)言語ドキュメンテーションの実践においても順調にデータ作成が進んだ.以上のことから,概ね順調に研究活動を進め,相当の成果を上げることができた.
(d)の動向調査はLREC2017, Digital Humanities 2016, ARS Conference 2017, DocEng2017, ICLDC5に参加し,言語資料の電子記録の手法やその管理・表示方法についての最新の動向を調査することができた. (e)フォーマットの策定については,その一部をICLDC4とLREC2017とで提案することができた. (f)課題の洗い出しについては,「記録が生まれる課程のモデル化」の可能性をLREC2017で提案し,その研究の見通しを新たな研究計画としてまとめた(これは科研費基盤研究CとしてH29年度に採択された). (g)言語ドキュメンテーションの実践については,ロシア・シベリア地方でのフィールド調査と,イテリメン語のデータベース作成に取り組んだ.
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