1 通時的研究の新手法の開拓 動詞の格表示の通時変化研究の新しい手法を提案した。多数の漢語サ変動詞について、主に国会会議録を用いて挌表示の変化を探索し、ニ挌からヲ格に変化したと思われるもの、その反対のものの存在を発見した。Ngramの頻度順位変化や文法的パターンの頻度比の分析に基づき、「可能性」や「~てございます」の用法変化を記述した。 2 新しい通時コーパスの利用環境の構築と利用可能性の検討 画像として公開されている「帝国議会会議録」「日本外交文書」の文字認識処理と検証を行った。特に前者は認識精度が低く厳密な統計分析には使えないが、特定表現の出現の有無や時期を検証するには使えることが分かった。
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