研究実績の概要 |
本研究プロジェクトでは、換喩表現と非換喩表現の文産出過程を心理言語学の手法によって比較検証し、換喩表現の産出の背後にある要因を明らかにすることが目的である。 具体的には、平衡解釈説という、二つの表現はヒトの脳内に共存されていて、換喩表現と非換喩表現を両方とも同時に理解して産出することができる一段階のメカニズムと、逐語・比喩解釈先行説という、換喩表現と非換喩表現は脳内に別々に存在しており、換喩・非換喩表現のどちらかを先に理解し、別の表現の解釈も進めて文を理解し、産出する二段階のメカニズム(ならびにそれらに相当する言語産出に関する仮説)を検証する。 平成26年度は、終了した予備実験を元に、日本国内において日本人を対象とした実験を行った。更には海外でも実験を実施できるように調整中である。すべての実験はまだ終了していないが、次年度の実験を潤滑に行えるように、研究計画はおおむね順調に行っている。 実験実施のほかには、ドイツ・ポツダム大学(Tanaka, M, (2015) 'Planning Cause and Consequence in Japanese' Poster presented at the 3rd Eastern Asian Psycholinguistic conference, University of Potsdam, September 2015.)、関西外国語大学(Tanaka, M, (2015) 'Planning Cause and Consequence in Japanese' Invited talk, 日本英語学会、関西外国語大学)や関西学院大学(Tanaka, M, (2015) 'Planning Cause and Consequence in Japanese' Talk presented at the KCP conference, Kwansai Gakuin University, Kobe, Japan, July 2015)で研究成果について発表し、さらに国内の学術誌にも投稿した(Tanaka, M, (2015) 'Planning Cause and Consequence in Japanese', English Linguistics)。さらには国内外の学会で最新の研究方法や理論を学ぶと共に、研究者との交流を図り、今後の研究を進めていけるように話し合いを進めた。
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