本研究の目的は在日外国人の言語使用/選択と日本語学習の実態を明らかにすることである。研究対象はパキスタン人コミュニティで、人口は少ないが、社会的に自立したエスニック集団である。本研究では質問紙調査とインタビュー調査を実施した。分析の結果、パキスタン人コミュニティはパキスタンルーツと日本ルーツの2グループから構成されていること、そのいずれも多言語使用者であることがわかった。日本ルーツのグループのメンバーはパキスタン人と結婚した日本人女性であり、彼女らは家庭・宗教の場面で、ウルドゥー語をより用いることが明らかになった。このことは、パキスタン人コミュニティにおけるウルドゥー語の重要性を示唆している。
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