本研究の目的は、従来の和歌用語のシソーラス八代集対応版を、二十一代集(905年頃~1439年)対応版に拡張することである。同時に、その開発を通して、和歌を基盤とする534年間におよぶ古代語の用語空間分析(語彙体系変遷)の理論化を試みた。シソーラスデータ入力を二十一代集のすべてについて完了し、シソーラスコードシステムとその体系ができあがった。シソーラス体系における単語の記述が統一的かどうかを確かめた結果、シソーラスの体系は現代語の体系としては良好ではあるが、古代語の単語間の距離計算に矛盾があることがわかった。
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