タタリノフ著『レキシコン』は江戸期の青森下北方言を反映する。成果は以下のとおり。翻字翻訳テキストを完成させた。日本語史、東北方言のなかで位置づけ、注釈的作業から、体系的な研究を行い、日本語史・東北方言に新たな知見を拓いた。 研究実績としては以下。1)翻字翻訳テキストを完成させ、紀要論文に1~8と公開した。2)子音の有声化、母音の無声化、ザ行ダ行の混同などの下北方言の音韻的研究を行った。3)四つ仮名の分析した(江口『国語と国文学』27年9月号)、4)語中単独母音の鼻音化を明らかにした(ヤヌニ、メンボニン、ビンドロなど)。(5)語の意味を明らかにした(カド、ビンズギリ、ヤヌニなど)。
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