本年度における研究業績は,以下のとおりである。
①単著『日本語歴史統語論序説』,ひつじ書房,280pp,2016年11月。②編著『日本語文法史研究3』,ひつじ書房,320pp,2016年12月。③論文「語から句への拡張と収縮」,藤田耕司・西村義樹編『日英対照:文法と語彙への統合的アプローチ―生成文法・認知言語学と日本語学―』,開拓社,pp.408-422,2016年6月。④論文「非変化の「なる」の歴史―本多論文への日本語史的アプローチ―」,藤田耕司・西村義樹編『日英対照:文法と語彙への統合的アプローチ―生成文法・認知言語学と日本語学―』,開拓社,pp.274-281,2016年6月。⑤論文「文献国語史の研究動向と方言研究との接点」,日本方言研究会編『方言の研究2』,ひつじ書房,pp.117-130,2016年9月。⑥論文「日本語文法史の再構をめざして―「二段活用の一段化」を例に―」,大木一夫・多門靖容編『日本語史叙述の方法』,ひつじ書房,pp.169-185,2016年10月。⑦論文「文法史の名著:関一雄『国語複合動詞の研究』」,青木博史ほか編『日本語文法史研究3』,ひつじ書房,pp.263-274,2016年12月。⑧口頭発表「歴史語用論研究の可能性」<ワークショップ:行為指示表現の歴史語用論>,日本語学会2016年度秋季大会,山形大学(山形市),2016年10月30日。⑨口頭発表「「です」の文法化」,第1回「日本語と近隣言語における文法化」ワークショップ,東北大学(仙台市),2016年11月27日。
当初より予定していた本科研の研究成果の集大成として,著書①を刊行した。「構文」という概念を中心に,日本語の歴史変化をダイナミックに描いたものとして,記述・理論の両面から世界の言語学に貢献する成果である。
|