研究課題/領域番号 |
26370542
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
堀畑 正臣 熊本大学, 教育学部, 教授 (30199559)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 言継卿記 / 古記録 / 室町後期 / 記録語 / 伊達家文書 / 古文書 / 病気語彙 / 薬の名称 |
研究実績の概要 |
山科言継の『言継卿記』永禄9年の調査を行った。 ①「記録語」では「時宜、出張、入魂、笑止、斟酌、同篇、相轉」等が見える。記録語としては室町中期と比較して珍しい記録語はあまり見えず用例も少ない。②「異名」には「松煙(墨)、杉原(紙)、鳥目(銭)、油煙(墨)」のほか、国名として「丹州、江州、河州、常州、駿州、摂州、土州、野州、城州、向州、若州、三州」等が見える。国名は多用するがそのほかは多くない。「唐名」には「亞相、羽林、黄門、相公、左京兆、匠作、大樹、中書」等が見える。③「漢語表現と漢文語法」は特に目立つものがない。語順も動詞が最後にきて「~有之」や「~(動詞)+了」の文型が大半である。逆接の語に「然處、然間、然共」が見えるが少ない。④「記録語法」として「有御~」に「可有御改易」「可有御相轉」が見えるが多くはない。「被下」は「御盃被下」「御酒被下」「十八枚被下」等が見える。「副詞+以」の用法も「各以~・悉以~」等はあるが種類も少ない。概して記録語法は少ない。⑤「病気語彙」には「陰證傷寒、悪心、咳気、咳嗽、霍乱気氣、風ほろせ、下腹気、虚労酒損、口熱、瀉痢、痰氣、中風気、頭痛熱気、風気、風毒腫、風熱、腫物、疱瘡、蟲氣、痢疾、痢瀉」等が見える。⑥その他で「羅齊(ろさい)〔物品を請う〕、落堕(らくだ)〔還俗〕」の語もある。漢語副詞に「委曲、一往、一向、終日、先度、善悪、千萬、大概、萬一、勿論」等が見える。言継卿記には薬の名が記載されている。「*愛州薬、*温肺湯、*姜活湯、君不知、香需(草冠)散、五苓散、参蘇飲、升麻葛根湯、*仲和散、調中散、*内灸散、人参丁香散、*人参敗毒散」等が見える。*印は『日国大』(第2版)に未見の語である。 このほか『伊達家文書』の記録語の調査も始めていて、「涯分」「左道」「時宜・時儀」「被為(せらる)」「題目」「行(てだて)」「動(はたらき)」等が見える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査の分量が計画と比べてまだ足りない。鋭意、調査を継続して記述研究に足るところまで行って、まとめをしていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
古記録の『言継卿記』が分量が多い文献であり、これから調査を行う予定の古記録は分量的には多くないので『言継卿記』の調査を更に加えつつ、他の古記録の調査を行う。古文書の『伊達家文書』に関しては継続調査であるので今後とも調査を続ける。他の古文書の調査を行い、論点を明確にして記述研究を行っていきたい。
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