『日本言語地図』(LAJ)は日本の方言の地理的分布を一望できる基礎資料であり,昭和30年代に全国2400地点で調査し,作成された。LAJを使った全国的視野の計量的研究がなされたが,計算機データがなく,県別集計による研究であった。構築を進めている『日本言語地図』データベースは,2400地点のデータで,47都道府県の県別集計の約51倍の地理的な解像度である。全国的な方言分布データでは最大規模の詳細なデータを生かした観察,分析に有効な方法の開発を目的とし,方言分布形成に重要な道路網や人口分布などの言語外的情報(調査時およびそれ以前)をデータ化し,これを用いた計量的な観察・分析,方法の開発を行った。
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