中英語と初期近代英語期は、いずれも英語史研究で重要な意味をもつ変動期であるが、それぞれ独立に研究されることが多い。本研究ではその連続性に着目し、以下のような分野の研究を行った。まず、中英語の否定構文の変化と初期近代英語の助動詞doの拡張を連続的に捉える研究、次に動詞の補文の構造(that節、不定詞、動名詞構文等)についての研究、最後にalwaysの語尾に付加されている-sなど、形態に関する研究である。中英語から初期近代英語期にかけての連続性に焦点を当てるとともに、この時期の変化を英語史全体の枠組みで解釈し、現代英語へのインパクトについても考察した。
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