本研究の成果は、英語が形態的に1語では表わせない完了、未来、進行、受動等の構文を、助動詞を用いることで2語以上の表現方法を確立し、現在のような複雑な時制や態や様々なアスペクトを示すことができるようになった過程を、そのもととなる古英語・中英語の時代の文献から例証したことにある。形態的なambiguity を迂言的な手法で補うことにより、現代では「英語らしい」といえる表現法をすでに古英語の段階から発達させていった様子を、韻文、散文、行間注釈などの文献を綿密に調査することにより貴重な例を見出すことができたと自負している。
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