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2015 年度 実施状況報告書

話し言葉における縮約形・音変化に対応した聴解学習支援システムの開発と実践的検討

研究課題

研究課題/領域番号 26370584
研究機関北海道大学

研究代表者

小河原 義朗  北海道大学, 国際本部, 准教授 (70302065)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード日本語音声教育 / 聴解 / 話し言葉 / 縮約形 / 音変化 / 聴解学習支援システム
研究実績の概要

本研究の目的は,国内外の日本語学習者が直接,またはインターネット等を通じて日々接触している生の日本語,特にその生きた話し言葉の聴解を阻む要因として挙げられる,話し言葉における縮約形・音変化を取り上げ,その音声知覚段階での聴き取りを自動化レベルに引き上げることによって,聴解能力の総合的なレベルアップを目指した聴解学習支援システムを作成することである。
本年度は,これまでに行われてきた日本語学・日本語教育における縮約形・音変化に関する記述的研究,使用実態調査のデータ,定義,教科書・教材で取り上げられている学習項目等を収集,整理した結果と,話し言葉のコーパスから抽出される項目,学習者にとって識別困難な項目等を併せて総合的に分析を行った。そして,対象を10項目程度に絞り,録音素材を試作し,試作したシステム上に載せ,聴解授業で具体的に取り上げて試行的に実践,評価を行った。その結果,音声による録音素材で,縮約形・音変化を含む短文や会話を試作したが,発話の自然さを重視する一方,文脈が不明確で,学習者には発話意図や場面,状況がわかりにくいものになっていた。そのため,音声識別以外の処理に時間がかかり,音声識別用トレーニング素材としては問題があることがわかった。さらに,学習者はインターネットを通して映像を視聴することを日常的に行っており,そのような日常生活で接する話し言葉と教室での授業やシステム上で練習する素材との間に現実性の面でギャップがあり,それをつなぐ素材の必要性が明らかになった。
そこで,発話意図や場面,状況が明確で,それらが自然に想起できるような文脈のあるシナリオによる素材を作成する必要がある。また,文脈をより明確にするために,音声のみではなく,インターネット上にある映像を伴ったフリーの映像素材の収集を検討することにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は,前年度の結果を受けて,本研究で取り上げる縮約形・音変化の項目を絞り込み,各項目を含む短文,会話例をシナリオとして作成,録音し,試作した。そして,試作したシステム上に載せ,聴解クラスで試行し,ディクテーション等の練習方法で実践的検討を行った。コンピュータによる聴解学習支援システムとしてのデザイン設計についても連携研究者と協力して試作,検討した。研究成果は第6回Castel/Jにて発表し,文脈のある素材作成についてのコメントを得た。また,素材の現実性を追求し,臨場感のある場面でターゲットを聞き,学習者の練習に対するモチベーションを上げるためにも,日常生活やインターネット上で見聞きするドラマやCM等,様々なフリーの映像素材の検討を行った。

今後の研究の推進方策

昨年度に明らかになった課題を解決するために,教室でのシステムを使った練習と日常生活での自然な話し言葉音声の視聴をつなぐ素材として,インターネット上のフリーな映像素材の収集と,文脈が明確でより自然,かつ初中級レベルの学習者にもわかりやすい会話素材のシナリオを作成し,録音を行う。そして,録音した音声素材をシステム上に載せ,再度聴解授業で試用し,実践的検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

システム上に載せるコンテンツの作成は外注を予定しているが,なるべく旅費をかけずに一度の作成機会でまとまった予算額で発注するため,次年度予算と合わせて使用する予定である。

次年度使用額の使用計画

日本語教育国際研究大会 BALI ICJLE2016で連携協力者との共同発表を予定しており,そのための旅費の他,コンテンツ作成に伴う連携協力者との協議,情報収集のための旅費,コンテンツ作成のための外注費用として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 縮約形・音変化に対応した聴解学習支援システムの開発2015

    • 著者名/発表者名
      小河原義朗・高橋亜紀子・井口寧
    • 学会等名
      第6回Castel/J
    • 発表場所
      University of Hawaii, Kapiolani Community College
    • 年月日
      2015-08-07 – 2015-08-07
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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