研究課題/領域番号 |
26370591
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大北 葉子 東京医科歯科大学, 国際交流センター, 准教授 (10361726)
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研究分担者 |
太田 克也 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤講師 (20251514)
松島 英介 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (50242186)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 空書 / 漢字学習 / 眼球運動 / 日本語教育 |
研究実績の概要 |
本研究提案者らの以前の日本人、中国人、非漢字圏初級及び中級学習者の漢字正誤判断実験で、非漢字圏初級学習者の漢字学習が進んだ学習者には空書が見られ、進まなかった学習者には空書が見られなかった。空書は漢字学習進捗の指標になると思われる。眼球運動は脳内認知処理の指標であり、空書が見られない学習者の脳内での漢字認知処理が解明できるのではないかと思われる。漢字正誤判断時に眼球運動と空書行動を記録し、正答率、眼球の停留点、眼球運動の軌跡、漢字学習方略などの関係を分析する。非漢字圏および漢字圏日本語学習者および日本人を被験者として、ノートパソコンにTobii社アイトラッカーX2-30を装着し、パソコン画面に提示される漢字(真漢字、曖昧漢字、偽漢字、誤漢字)及びハングル文字に対して真漢字か否かの判断をさせる。 以前の研究結果に基づいて、日本人、中国人、非漢字圏初級及び学習者のずべてで正答率が低かった字形、日本人と中国人では高かったが、非漢字圏学習者では正答率が低かったまたはその逆の字形、非漢字圏初級学習者のみ低かった字形など真漢字30字、曖昧漢字20字、偽漢字20字、誤漢字25字、及びハングル文字15字を選び、アイトラッカーX2-30を装着し眼球運動を測定のパイロット試験を行った。アイトラッカーX2-30の刺激表示、データ収集ソフトのトビー・スタジオで円滑に表示できる視覚刺激数、視覚刺激の画像の大きさを検討した。眼球運動の軌跡、眼球の停留点と停留時間などのデータ収集方法と分析方法などデータ解析ソフトの使用方法を学習した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ノートパソコンにTobii社アイトラッカーX2-30を装着しパイロット試験を行った。視覚刺激として被験者間で差が出ると思われ、かつ、円滑に実験可能な画像と刺激数を検討し、真漢字25字、曖昧漢字15字、偽漢字15字、誤漢字15字、及びハングル文字10字を選んだ。データ解析ソフトの操作方法も取得した。眼球軌跡、停留点、停留時間など膨大なデータが得られるが、個人差も大きい傾向があった。データから価値ある知見を得るためには、興味領域の設定など、解析方法を更に検討する必要があることが分かった。分析可能な眼球運動が測定できない被験者が存在し、予定していた被験者数には至らなかったが、27年度、28年度で被験者数を増やすことができるので、問題ないと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
眼球運動が測定できない被験者がいることが分かったので、被験者数を日本人、中国人、非漢字圏学習者すべて目標の10人ずつから最低15人に増やし、分析可能なデータの取得に努めたい。得られる眼球運動のデータは 軌跡、停留点、停留時間など膨大になる。、被験者数を増やし、被験者グループ内での眼球運動の特徴などをつかんだり、漢字学習態度のアンケート調査と眼球運動データの関連を調べることで、眼球運動の分析対象の絞り込みをし、知見あるデータ解析になるように努めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
東京医科歯科大学研究費管理システムのシステムエラーにより、残金表示に誤りがあったため過剰注文となった。
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次年度使用額の使用計画 |
年度を超えてのソフトウエア購入であったため、次年度使用額となっても支障がないと思われる。
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