研究課題
研究1年目の「漢語語彙の分野別特性」、研究2年目の「和語の分野別特性」に続き、研究3年目には、「カタカナ語の分野別特性」、「文末表現の分野別特性」、「二字漢語の共起・連語パターン」「高頻度二字漢語(名詞)と共起する動詞や形容詞の分野別使用特性」等において、様々な興味深い知見が得られたほか、研究3年間で得られた知見をデータベース化し、専門分野ごとに特徴的な使用例を例文リストとしてまとめて、Web辞書のもととなるプロトタイプを作成することができた。その際、統計的な数量分析を手掛かりに、大量の文例を目視しながら具体的な文脈の中での使用実態をつぶさに観察することで、分野の内容や論法との相関を明らかにするなど、様々な質的知見を得るに至った。ただし、研究最終年度の研究3年目においては、そうした研究成果の産出に最大限の力を注いだ結果、成果の公表自体は、「社会科学専門文献の接続詞の分野別文体特性―分野ごとの論法と接続詞の選択傾向との関係―」『日本語文法研究のフロンティア』(2016年5月)と、専門日本語教育学会の研究討論会(2017年3月)におけるポスター発表「社会科学基礎文献における高頻度二字漢語(名詞)と共起する動詞の分野別使用特性」にとどまる。なお、工学関連の語彙分析を遂行中の研究グループとは、緊密な協働関係を構築することができたことから、今後、これまでの分析結果を共有するとともに、そこから新たに開かれる分析観点が浮上した場合は、本格的な共同研究に進む可能性の是非を検討する価値があると考えられる。
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日本語文法研究のフロンティア
巻: - ページ: 161, 182