| 研究課題/領域番号 |
26370599
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| 研究機関 | 富山大学 |
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研究代表者 |
山崎 けい子 富山大学, 人文学部, 教授 (50313581)
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| 研究分担者 |
初鹿野 阿れ 名古屋大学, 国際協力交流本部, 准教授 (80406363)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | 日本語の授業 / 教師と学習者のやりとり / 修復 / 相互行為 / 授業会話の技術 |
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| 研究実績の概要 |
非母語話者と母語話者の会話では、聞き取りや理解のトラブルがより頻繁に起こるが、その都度なんらかの修復を行いながら話を進めている。「日本語」の教室でもむろん、日本語教師や学習者の間で「修復」のやりとりが起こっている。そのやりとりを、会話分析的手法を用い、相互行為としての「修復」という観点から詳細に捉え直すことが本研究の目的である。
会話分析の手法で、授業の中での修復の組織を詳らかに記述するということは、日本語教師にとって、自らの言語行動を意識的に細部にわたりに捉え直すことである。会話の微細な流れまでをも認識する重要性に気づき、より高度な授業会話の技術を獲得することに繋がるだろう。また、無意識に起こしているかもしれない弊害を意識化し退けることもできるのではないかと考えている。
具体的には、収集したデータから、修復が起こっている箇所を特定し、修復の組織を明らかにしている。教師や学習者がいかに発話、聞き取り、理解に関する問題をやり取りの中に顕在化させ、それに対処し、解決しているかを記述分析している。
また修復は、より大きい会話の流れの中で起こるものである。修復は会話の流れの中で、少し脇道にそれたやり取りということができる。したがって、修復の組織だけを分析したのでは、やりとりの実態を捉えることは出来ない。今回対象としている授業の会話の流れのどのような位置で、その修復は出現したのかも加えて分析している。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
概ね順調に進んではいるが、データ収集に手間取った。研究当初から、授業の録画を依頼する候補は定められていた。しかしながら、実際に録画依頼を進めるにあたっては、許可取りの手続きに時間を要した。授業録画は２台のビデオカメラで、前方（クラス全景）と後方（教師中心）から行い、同時にICレコーダーで音声を録音するという依頼負担度の高いものであったため、念入りな録画依頼、許可取りの手続きが必要であった。具体的には、授業を行っている教育機関に趣旨説明を行った上で許可をとり、その上で、協力者全員(授業者及び学習者)には、事前に文面および口頭で研究目的を説明し、協力の依頼を行った。
その後、業者に依頼し、大まかな文字起こしを済ませた。授業の会話の詳細な分析を進めており、遅れは取り戻しつつある。
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| 今後の研究の推進方策 |
①修復組織の記述・分析： 26年度から継続して、修復の組織を記述分析する。27年度は更に、教師の振る舞いに焦点を当てる。つまり、学習者の発話の問題に対して、教師が開始する他者開始修復の分析を進めて行く。まず一般的に、経験のある日本語教師はよりスムーズに問題を解決していると思われる。学習者の発話に教師が聞き取りや理解の問題を感じ、修復の他者開始を行った時、それはどのように解決されているのか、それは、学習者の理解や発話を促すためのサポートとしてどのように成立しているのか／いないのかを分析して行く。さらに、やり取り上の問題が明らかであっても、修復が開始されない現象にも注目する。
②修復の相互行為の中での位置づけの記述・分析： 修復は、より大きい会話の流れの中で起こるものである。修復は会話の流れの中で、少し脇道にそれたやり取りということができる。したがって、修復の組織だけを分析したのでは、やりとりの実態を捉えることは出来ない。今回対象としている授業の会話の流れのどのような位置で、その修復は出現したのかも加えて分析する。
③成果発表（中間報告）： 国内の学会において中間発表を行うことを予定している。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
授業録画は２台のビデオカメラで、前方（クラス全景）と後方（教師中心）から行い、同時にICレコーダーで音声を録音するという依頼負担度の高いものであったため、当初予定されていた録画期間より遅れたことが理由である。また、当初予定されていた録画時間よりも若干短いものとなったこともある。
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| 次年度使用額の使用計画 |
来年度の直接経費は200,000円、前年度からの繰り越しが87,921円である。物品費102 ,000円は、書籍、文房具等に使用予定である。旅費80,000円と前年度繰越金87,921円は、研究者２名が頻繁に打合せできるよう相互に行き来するための出張旅費、および、国内の学会等における研究発表を行うための出張旅費とする。また、資料整理等のためのアルバイト雇用に、人件費・謝金として18,000円を使用する予定である。
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