29年度は、主に下記4つの取り組みを実施した。 (1)ブラジル人学校C校との連携:第2回目となる愛知教育大学の大学祭への招待を昨年度の反省を踏まえて実施した。学生ボランティアを募集し、事前に簡単なガイダンス等を行ったこと、ブラジル人児童生徒が楽しめる展示や模擬店をボランティア学生自ら調べたこと、実際にブラジル人児童生徒と交流したことにより、ボランティア学生の実施前の意識の高まりと実施後の外国人児童生徒に関わる問題への意識の変化が観察できた。ブラジル人児童生徒達も日本人学生と接することにより、日本や日本人へのイメージの変化が見られた。ブラジル人学校見学では、学祭時のボランティア学生や教員採用試験を合格している学生が参加した。日本とは違う雰囲気の学校を実際に見たり、日本の公立学校在籍経験のあるブラジル人生徒から、日本の学校をどう感じていたかなど直接聞いたことにより、教員としてどうあるべきかを自ら考える様子が観察された。 (2)学生への勉強会:28年度行った幼児教育選修在籍の学生対象の勉強会の反省を踏まえ、29年度も勉強会を実施した。「ことば」というものを保育者が意識するために、ワークショップを身近なことから考える内容にしたところ、昨年度に比べて学生の満足度も上がった。 (3)教材集の発行:これまで行ってきた保育園での言葉や文字に親しむ活動をまとめた活動集と教材を作成し近隣の保育園や幼稚園に配布(貸出)した。 (4)シンポジウムの開催:本研究のまとめとして、ざまざまな連携をとりあげたシンポジウム『「子どもを支えたい」その思いをつなげる~愛教大と多様な機関との連携から~』を実施した。様々な連携先の機関の方と連携に関わった学生が活動を紹介をした。ワークショップでは、5つのテーマに分かれて意見交換を行った。これにより、これまでの連携の成果や、今後の連携の可能性、課題等が明らかになった。
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