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2014 年度 実施状況報告書

学習の質を保証する日本語コロケーション習得システムの構築と実践研究

研究課題

研究課題/領域番号 26370609
研究機関大分大学

研究代表者

坂井 美恵子  大分大学, 国際教育研究センター, 准教授 (60288868)

研究分担者 中溝 朋子  山口大学, 留学生センター, 准教授 (70305217)
金森 由美  大分大学, 国際教育研究センター, 講師 (80264323)
大岩 幸太郎  大分大学, 教育福祉科学部, 非常勤研究員 (90223726)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードコロケーション / コーパス / e-learning教材 / モバイル端末用教材
研究実績の概要

中上級レベルの日本語学習者が作文やレポートを実際に書く際に多様な表現を使用できるようになるためには、名詞がどのような動詞と結びつくかというコロケーションの知識は必要不可欠である。これまで開発した名詞と動詞のコロケーション習得支援を目的としたパソコン用とモバイル端末用のe-learning教材を拡充し、学習者に合った問題を出題し、継続的に学習させられるような機能を搭載することにより学習の質を保証することが本研究の目的である。そのため、採用するコロケーションを増やし、新たにコロケーションを難易度に分け、学習者のレベルに合ったコロケーションを出題できるようにする。また、「コロケーション検定テスト」を組み込み、合格すれば次のステージに進み学習を続けられるようにすることで、習得をより確実なものにする。
教材作成チームは新たなコロケーションの選定と練習問題を作成した。すなわち、日本語能力試験旧1級、2級、3級、4級の各級から追加する名詞を選定し、現代日本語書き言葉均衡コーパス(BCCWJ)(国研2011)のデータを用いて共起頻度の高い動詞の中から、学習するべきコロケーションを選定した。各々のコロケーションにつき、練習問題、例文、訳(中・韓・英)を作成した。また、動詞の言い換えを学習できるような動詞入力問題も新たに作成した。
システム構築については、設計補助として協力者を1名置き、基本システムを設計した。本教材では、個々の学習者に応じてカスタマイズできる機能を新たに追加する。すなわち、開始するステージを決める実力診断テストの導入、ステージ毎に学習を進める機能、各ステージ終了時に検定テストを出題し、その結果によって次のステージに進むかどうか決定する機能、動詞の言い換え入力問題、母語別に出題する機能、短文作成問題などである。また、コロケーションの正答率を抽出できる機能を構築した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

26年度の研究実施計画として挙げていた新たなコロケーションの選定と練習問題、言い換え問題の作成は、概ね達成されている。
システム構築については、システム開発者から新しいシステム一式が3月20日に納品された。引き続き検証作業を行いながら、不具合の対処とバグの修正が行われているが、システム構築については概ね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

・教材作成チームは、コロケーションの難易度別ステージ制と母語別の出題を導入するために、韓国語・中国語・英語話者別に試用を行い、データ収集を行う。各問題の正答率によってコロケーションを10段階に分類し、各ステージの検定テストを作成する。
・システム構築には引き続き設計補助として協力者を1名置き、1年目に構築したシステムの試用を行い、システムの検証と修正を行う。また、学習履歴取得と学習履歴表示画面の作成を行う。試用の結果、追加する必要のある機能があれば、引き続き開発を行う。

次年度使用額が生じた理由

当初、学会発表のための出張旅費を計上していなかったため、謝金やその他として計上していた予算をこれに充てたこと等から、当初の予定とは異なる予算の執行となった。

次年度使用額の使用計画

学会発表のための旅費に充てる予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] コーパスを利用した「抱く」と「抱える」の異同について -名詞の共起状況を手掛かりに-2015

    • 著者名/発表者名
      中溝朋子・坂井美恵子・金森由美
    • 雑誌名

      大学教育

      巻: 12 ページ: 53-64

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] コーパスを利用した強意相の機能動詞と名詞の共起状況-「強める」「深める」「固める」「高める」-2014

    • 著者名/発表者名
      中溝朋子・坂井美恵子・金森由美
    • 雑誌名

      日本語教育学会九州・沖縄地区研究集会予稿集

      巻: 9 ページ: 18-19

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] コーパスを利用した反復相・反復強意相の機能動詞の異同況-「繰り返す」「積む」「重ねる」と名詞の共起状況を手掛かりに-2014

    • 著者名/発表者名
      中溝朋子・坂井美恵子
    • 雑誌名

      第10回国際日本語教育日本研究シンポジウム予稿集

      巻: 10 ページ: 302-306

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] コーパスに見られる類義語「抱く」と「抱える」の異同について2014

    • 著者名/発表者名
      中溝朋子・坂井美恵子・金森由美
    • 雑誌名

      日本語教育学会中国地区研究集会予稿集

      巻: 9 ページ: 55-60

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] コーパスを利用した機能動詞「起こす」「引き起こす」「招く」「きたす」の異同について2015

    • 著者名/発表者名
      中溝朋子・坂井美恵子・金森由美
    • 学会等名
      日本語教育学会九州・沖縄地区研究集会
    • 発表場所
      北九州大学(福岡県北九州市)
    • 年月日
      2015-06-06
  • [学会発表] コーパスに見られる類義語「抱く」と「抱える」の異同について2014

    • 著者名/発表者名
      中溝朋子・坂井美恵子・金森由美
    • 学会等名
      日本語教育学会中国地区研究集会
    • 発表場所
      岡山大学(岡山県岡山市)
    • 年月日
      2014-12-20
  • [学会発表] コーパスを利用した反復相・反復強意相の機能動詞の異同況-「繰り返す」「積む」「重ねる」と名詞の共起状況を手掛かりに-2014

    • 著者名/発表者名
      中溝朋子・坂井美恵子
    • 学会等名
      第10回国際日本語教育日本研究シンポジウム
    • 発表場所
      香港大学(中国香港)
    • 年月日
      2014-11-15
  • [学会発表] 上級日本語学習者にとって難しいコロケーションとは-e-learning教材の学習履歴の分析2014

    • 著者名/発表者名
      Mieko Sakai, Yumi Kanamori, Koutarou Ooiwa
    • 学会等名
      シドニー日本語教育国際研究大会
    • 発表場所
      シドニー工科大学(オーストラリア・シドニー))
    • 年月日
      2014-07-11
  • [学会発表] コーパスを利用した強意相の機能動詞と名詞の共起状況-「強める」「深める」「固める」「高める」-2014

    • 著者名/発表者名
      中溝朋子・坂井美恵子・金森由美
    • 学会等名
      日本語教育学会九州・沖縄地区研究集会
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県鹿児島市)
    • 年月日
      2014-06-14

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公開日: 2016-05-27  

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