研究期間最終年である平成29年度は、茨城県東茨城郡大洗町(以下、大洗町)のインドネシア人コミュニティ(以下、大洗コミュニティ)でのフィールドワークを、研究分担者の助川泰彦氏が単独で実施したものを含め、合計7回実施した。 調査の主な内容を以下に示す。①本研究の主要な対象であるA家を訪問し、家庭での言語使用や長男と次男の家庭学習等に関する参与観察を行った。②小学生から社会人に至るまでの複数の子どもたちを対象に、日本語使用、教科学習、将来展望、進路選択等についての聞き取りを行った。③大洗町内の保育施設(1機関)、小学校(1校)において、大洗コミュニティの子どもたちが参加する行事を見学した。④③に記した小学校において、インドネシア人親子と学校側の3者面談に通訳者として立ち会い、通訳を行う傍ら参与観察および意見交換を行った。⑤大洗コミュニティに属する子どもたちのうち、複数の小学生を対象とした対話型アセスメントを実施した。⑥茨城大学の教員と学生が主宰する地域の日本語教室「日本語ワールド大洗」に参加し、子どもたちへの学習支援を中心とした観察を行った。⑦大洗コミュニティの子どもたちのうちすでに高校を卒業した2名を対象に、学習や進路選択をテーマに含んだPAC分析を実施した。 また、調査手法に関する理解を深めるため、8月に実施された「DLA実践者養成のための講師育成研修【愛知会場】」に参加した。 以上の研究成果の一部を含んだ論文を東京外国語大学大学院総合国際学研究科に博士学位論文として提出した(平成29年12月6日付で学位取得)。
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