研究課題/領域番号 |
26370613
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
中山 英治 大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (50546322)
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研究分担者 |
門脇 薫 摂南大学, 外国語学部, 教授 (40346581)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 協働の実践 / 協働の工夫 / 非日本語ネイティブ教師の価値 / 日本語教師の教育観 / 日本語教師のアイデンティティ |
研究実績の概要 |
本研究はタイの日本語教育機関で行われている日本語母語話者教師と日本語非母語話者教師の協働に関する実践を対象とし,その協働の実証的な検証を行なうためのインタビュー調査と協働実践を今後もより広く推進するための協働ネットワークの構築をめざす研究である。本年度はこれまで平成26年度から平成27年度まで進められてきた研究の成果を公にする年度に当たり,研究代表者はじめ,研究分担者や研究協力者らの成果を発表してきた。 研究代表者(中山英治)は,2015年度に実施されたインタビュー調査の文字起こしデータをもとに,理想的な協働の実践が展開されているタイ(バンコク郊外)の高校の協働実践を分析し,理想的な協働の工夫や教師の協働観などを明らかにした。2016年9月の日本語教育学会国際大会(バリ島)ではこの研究成果を口頭発表した。 研究分担者(門脇薫)は,同様に2015年度から2016年度にかけて実施したタイの大学や高校における研究調査の結果を分析し,協働実践のよさと課題などを明らかにした。2017年3月のタイ国日本語教育研究会の年次セミナーではこの研究成果を口頭発表した。 また,研究協力者(高橋雅子)は,研究代表者がインタビュー調査したデータをもとに,日本語母語話者教師と日本語非母語話者教師の協働実践が積極的に行われているタイの教育機関(民間の日本語学校)を対象として調査・分析し,代表者や分担者とは異なる研究手法で同様の協働の実践の内実を分析・考察した。2017年2月の言語文化教育研究学会ではこの研究成果を口頭発表した。 これらの研究成果は,交付申請書に記載した協働実践の普及にもつながる大きな成果である。ただ,当初の予定では平成28年度までの研究期間であったが,成果の公開にさらなる時間も必要となり,研究期間の延長を申請した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた代表者の成果発表も分担者と協力者の成果発表も順調に進んでいるが,成果報告書の作成が終わっていない。また,研究を続けている中で新たに見えてきた課題もあり,今後の新しい研究課題を生成する段階にもある。こうした状況に鑑みて,概ね順調に進展しているが,研究期間の延長を願い出て,さらなる研究の進捗を図る必要が出ている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の研究成果において,協働実践の内実や協働の工夫などを日本語母語話者教師と日本語非母語話者教師との両面から明らかにすることができたが,協働実践上のティーチング・ティップスや協働の検証のために必要なツール(検証シートやルーブリックなど)が未開発のままになっている。研究を延長した平成29年度にはこれらの研究を継続する必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度に研究機関が終了する予定であったが,研究調査の対象国であるタイにおいて前タイ国王の死去に影響を受けた研究の遅延があり,平成29年度まで研究の延長を申し出ている。次年度に遅れが生じた研究成果の発表や研究報告書を作成して最終年度を迎える予定である。
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次年度使用額の使用計画 |
研究協力者から研究分担者に変更されるメンバーがおり,かつ,最終的な研究報告書に盛り込む予定の協働実践の検証のためのツール(検証シートやルーブリックなど)の開発に予算を使用する。また,最終的な報告書自体の作成資金も予算に含まれる。
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