研究目的:Ⅰ.海外におけるe-Learningを活用した日本語発音指導の効果検証および学習者の学びの検証。Ⅱ.e-Learningを活用した学習者の学びを促す支援のあり方の検証。Ⅲ. e-Learningを活用したオンライン日本語発音講座の開発と配信。 研究方法:①ベトナムのホーチミン市師範大学の日本語学習者5名、韓国の韓国外国語大学の日本語学習者6名を対象に発音指導調査を実施。学習者に発音オンデマンド講座を視聴してもらい、発音練習した後に録音音声ファイルをメールにて提出。本研究協力者がメールでフィードバックを行い、非対面による発音指導を実施した。②韓国の韓国外国語大学の非母語話者日本語教師3名を対象に現地の日本語音声教育の現状に関するインタビュー調査を実施。インタビューは録音し、文字化資料を作成した。③本プロジェクトの研究成果を踏まえた上でオンライン日本語発音講座”Japanese Pronunciation for Communication”(JPC)を開発し、世界中の日本語学習者ならびに日本語教育関係者に向けて無料配信した。 研究成果:①の結果から、オンデマンド講座の視聴による発音練習が可能であり、日本から海外への発音指導支援が有効であることが明らかになった。また、②の結果から、発音の知識を導入する授業はあるが、実際の発音指導は時間的・人数的に難しいという現状が明らかになった。以上の結果から、海外におけるe-Learningを活用した発音学習の有効性は極めて高いことが示された。そこで、③JPCを開発し、ハーバード大学とMITの共同開発によるグローバルMOOCsのプラットフォームであるedXにおいて、2016年11月から無料配信した。159ヵ国から、のべ1万5千人以上の受講生が登録しており(2017年4月6日現在)、最終年度の成果としての学術貢献を達成することができた。
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