研究課題/領域番号 |
26370617
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
山下 由美子 創価大学, 学士課程教育機構, 講師 (90635294)
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研究分担者 |
関田 一彦 創価大学, 教育学部, 教授 (70247279)
望月 雅光 創価大学, 経営学部, 教授 (70284601)
清水 強志 創価大学, 学士課程教育機構, 准教授 (20409775)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 文章作成力 / 日本語力 / 読む力 / 書く力 / 小論文 / マインドマップ / eラーニング教材 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学生が書くことに苦手意識を持つようになる原因やその克服方法を明らかにし、書くことに苦手意識を持つ学生も取り組める標準的なシラバスの作成と教育手法の開発を目指すものである。この目的を達成するための平成27年度の課題として、「読むことと書くことの関係」および「小論文と大学でのレポートの関係」について調査するものであった。 「読むこと」「書くこと」「小論文とレポートの関係」については、初年次対象にアンケート調査を行った。まず読書について、「読書に対する姿勢が好意的であるか、本を読むことの必要性の有無、本の読み方、本の話をする友人の有無、図書館や本屋の利用頻度、幼少時の読書体験、好きな本のジャンル等」を聞いた。次に、書くことについて、「自由な創作文・読書感想文・小論文・意見文を書くことへの好意、本を執筆したいか、文章をほめられた経験、書いた文章を人に見せることへの抵抗感、ノートの取り方等」を聞いた。アンケート結果と提出された最終レポートおよび成績との相関については、現在分析を進めているところである。 小論文と大学で求められるレポートとの違いについては、数人の学生へのインタビューを行った。インタビューからは、参考文献の有無、引用の有無、意見の述べ方の違いといった点が挙げられた。アンケートを基にさらにインタビューを続けるとともに、最終レポートおよび成績との相関についても分析を行っている。 また、平成25年度から続けている教育手法について、マインドマップのeラーニング教材の開発を行い、授業内で取り入れている。学生の振り返りシートやアンケート結果については、「日本リメディアル教育学会」「大学eラーニング協議会」で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「読むことと書くことについてのアンケート」結果と、学生一人一人のレポートとの照合作業に時間がかかっており、まだ全体的な分析結果が出せていない。 また、時間割の関係上、平日に視察やヒアリング調査を行う時間がほどんど取れなかったため、他大学への視察やヒアリングが不十分なところがある。
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今後の研究の推進方策 |
まず、「レポート作成のためのマインドマップeラーニング教材」の整備と、これまで他大学で導入された事例も含め、学会発表を行うとともに、論文として発表する予定である。 次に、平成27年度に実施した「読むことと書くことのアンケート」と、小論文についてのアンケートおよびインタビューと提出されたレポートの相関を分析する。その結果から、高校までの小論文学習や読書が大学でのレポートに生かされているか、苦手意識にどうつながっているかを探るとともに、苦手意識を克服させながら大学生としての書く力を育成するシラバスを開発していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
設備備品として購入予定であったファイルサーバを購入せずとも、学内のMoodleでeラーニング教材を展開することができた。また、時間割の関係と先方の都合もあり、平日に他大学への視察に行くことがほとんどできなかったため、視察のための旅費もほとんど消化できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度となる2016年度は、他大学への視察やヒアリングを行いながら、教材開発のための打ち合わせ旅費が増える見込みである。また、アンケート分析のために、SPSSの購入を予定している。
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備考 |
アクティブラーニングの実践事例紹介として、以下の2つの事例を挙げている。 「学術文章作法Ⅰ」では、レポートのテーマ設定の際にマインドマップを活用した取り組み事例を紹介している。また、「文章表現法b」では、絵や写真を見て楽しみながら作文ができる看図作文を活用し、グループでの話し合いやストーリー作成をパラグラフライティングを意識しながら行った事例を紹介している。
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