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2015 年度 実施状況報告書

文字表記の誤用と音声知覚の関連性

研究課題

研究課題/領域番号 26370621
研究機関関西外国語大学

研究代表者

本橋 美樹  関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (80411560)

研究分担者 石澤 徹  東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 講師 (00636095)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード音声 / 表記 / 日本語学習者 / 特殊拍 / 知覚と生成
研究実績の概要

本研究は学習者がどのように日本語の音声(特に学習者に難しいとされる拗音と特殊拍)を認識しているかを、「表記」という先行研究になかった観点を加えて考察する。平成27年度は関西外国語大学に留学中である英語が母語の初級日本語学習者32名を対象に、データ収集を行った。調査の流れは全て同じ分析対象語を用いて①単語レベルの和訳テスト②ディクテーションテスト、③四肢選択法による聞き取りテストを同日に行い、後日一人ずつ対面で④発音(読み上げ)テストを行った。平成26年度も同様にデータ収集を行ったが、違う点は②のディクテーションによる書き取りテストを加えたことで、学習者の聴き取りの実態をより多角的に精査できるようにしたことである。
分析対象語は前年度と同様、学習者にとって親密度が高く、かつ誤用頻度の高い意味語26語と、この意味語の条件変えをした無意味語(母音を変えたもの、アクセント位置をかえたもの、など)29語の計54語であった。発音データは日本人協力者2名にどのように聞こえるか判定してもらった。
収集したデータは、被験者ごとに三技能(聴取、表記、発音)比較をしてまとめている。先行研究では、知覚と生成の比較として、聴取データと発話データを用いているが、本研究では表記データも生成データとして加えることにより、知覚と生成の関係を新たな観点から考察することを試みている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

データ収集の結果を学会で2度にわたり発表することができた。一方、聴取データの結果分析が思うように進まず、データ収集方法にも課題が残ったことと、予定していた表記を用いたトレーニング法の教育効果を見る実験ができなかっため、この判断とした。

今後の研究の推進方策

引き続き、初級英語話者のデータ収集を行う。また、聴取データの収集方法を精査する。さらに、表記に重点を置いて拍数を意識させた音声指導法が、聴取や発音など他技能に影響するか、トレーニングの効果を見る実験も行う。最終年度なので、全てのデータ収集の結果をまとめ報告書も作成する。

次年度使用額が生じた理由

予定していた実験が行えなかったため、謝金充当分などが未使用分として残った。

次年度使用額の使用計画

引き続き、データ収集のための経費と実験参加者への謝金として使用する。
また、研究成果報告のための投稿、学会参加の経費としても使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] 日本語学習者による表記に現れる音声の認識2016

    • 著者名/発表者名
      本橋美樹
    • 雑誌名

      高等教育研究論集

      巻: 6 ページ: 未定

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 日本語初級学習者による文字表記の誤りの特徴 ―無意味語との比較から―2016

    • 著者名/発表者名
      本橋美樹 石澤徹
    • 雑誌名

      関西外国語大学留学生別科 日本語教育論集

      巻: 25 ページ: 未定

  • [学会発表] JFL学習者による特殊拍と拗音の知覚と生成 ―生成データとしての文字表記の考察―2015

    • 著者名/発表者名
      本橋美樹 石澤徹
    • 学会等名
      第29回日本音声学会全国大会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2015-10-03
    • 国際学会
  • [学会発表] 初級学習者への音声指導法の一考察:多技能の比較から2015

    • 著者名/発表者名
      本橋美樹
    • 学会等名
      第10回OPI国際シンポジウム
    • 発表場所
      函館国際ホテル
    • 年月日
      2015-08-02
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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