研究課題/領域番号 |
26370623
|
研究機関 | 立命館アジア太平洋大学 |
研究代表者 |
本田 明子 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 准教授 (80331130)
|
研究分担者 |
寺嶋 弘道 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 准教授 (90454967)
板橋 民子 立命館アジア太平洋大学, 言語教育センター, 講師 (80469402)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | インターアクション / 母語話者 / 学習者 / 教員の成長 / 学習活動 / 相互作用 / 活動型学習 / 地域参加 |
研究実績の概要 |
本研究は、学習者と母語話者のインターアクションを取り入れた学習活動(「街を教室にする」プロジェクト)を実施することで、「社会につながる日本語教育」のあり方を考えるために、参加者の学びの質と意識に教員が及ぼす影響を調査・分析し、社会と学習者を結ぶ日本語教育における教員の役割を明らかにすることを目的としている。 1年目は、大学の授業における学習活動に地域の母語話者が参加した場合の、学習者・母語話者・教員の三者のかかわりを中心に研究を行ない、2年目は、学習活動の場を「街」に移すことでどのような変化が生じるかを分析した。そして、3年目の2016年度は、「街」のなかにある既存の活動に教員も一参加者として関わり、母語話者・学習者・教員の関係性を再構築する試みと「街」に学習目的ではなく新たなつながりを模索する活動を創出することで、教員の新しい役割を見出す試みを実施した。そして、その過程での三者それぞれを対象に調査した。具体的には、地域の母語話者が主催する「町歩き」に学習者と教員がともに参加する活動やスマートフォンアプリを利用した交流型イベントの実施、それぞれの活動の参加者に対する調査を行なった。また、教員に対する継続的なインタビュー調査も実施した。 その結果、教員と学習者という関係に変化が生じ、教員から学生へという一方向から、双方向の関係性が構築できること、それにより教員の意識にゆとりが生じ、客観性が増すことが観察された。また、「授業」や「学習」を離れた交流の場においては、参加者間のつながりが密になり、その後の個人的な親交へと発展していきやすいことがわかった。さらに、教員に対する継続的な調査からは、こうした活動に参加して、母語話者や学習者との新たなかかわりが生まれることにより、教員自身に自分の役割を見直す意識が生まれ、自身の成長を意識化していることが確認できた。
|