研究実績の概要 |
平成32年度からの小学校外国語の教科化に伴い,「読み」「書き」が開始されることを想定し,「文字」に特化した小・中接続シラバスモデルを提案する研究を行った。現学習指導要領での文字や単語の扱いは,「児童の学習負担に配慮しつつ,音声によるコミュニケーションを補助するもの」とされている。しかし,小学校高学年の認知発達に鑑み,文字指導の導入の必要性があることや,小学校での音声中心の外国語活動が中学校の英語の学習にスムーズに接続されていない現状である。この問題点を洗い出し,小・中の接続がうまく機能していない理由を「文字」の隔たりにあるとした。そして,平成26年度から,鳴門教育大学附属小学校の5・6年生で「大文字・小文字の認識」及び「アルファベットの音への気づき」「サイト・ワード・リーディング」の指導を行い,平成27年度も継続して行い,文字認知の検証をした。同時に,附属中学校の1年生の初期の授業にて,小学校での文字の学習との接続を意識したリーディングに重点を置いた多読授業を試行した。平成28年度は,中学1年生から多読を継続し,3年生ではライティングに繋げる試みをした。さらに,平成28年度は,附属小学校での研究を,公立の小学校で実践してもらい,附属小学校と共に,公立小学校での「文字」の扱いの有効性を測定した。 以下の論文等を執筆し,本研究の成果を発表した。 畑江美佳(2015)「小学校でどのように文字を導入するか::Hi, friends!の補助教材から考える」『英語教育』第64巻第4号. 大修館書店. 畑江美佳・段本みのり(2016)「外国語活動におけるサイト・ワード・リーディングの試み」JES Journal, 16. 畑江美佳・段本みのり(2017)「小学校におけるアルファベット指導の再考-文字認知を高めるデジタル教材の開発と実践-」JES Journal, 17.
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