本研究では、個々の学習者タイプとして、読解力とスペリング能力に大きな力の不均衡が見られる学習者を設定した。つまり平均以上に読解力はあるものの、スペリング能力に劣るGood Reader Poor Speller (R+S-)と、読解力には劣っているものの平均以上のスペリング能力を有するPoor Reader Good Speller(R-S+)である。これらの学習者に音読と書き写しというボトムアップ処理の向上に適した練習方策を取り入れ、複数回繰り返させたところ、R+S-は音読4回、書き写し3回、R-S+は音読3回、書き写し2回を繰り返せばR+S+の処理レベルに追いつくことが明らかになった。
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