研究課題/領域番号 |
26370633
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
廣康 好美 上智大学, 言語教育研究センター, 教授 (50249067)
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研究分担者 |
北村 亜矢子 上智大学, 言語教育研究センター, 准教授 (30636262)
正木 晶子 上智大学, 言語教育研究センター, 准教授 (10407372)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | カリキュラム / 教授法 / CLIL / アンケート調査 |
研究実績の概要 |
カリキュラム構築の基礎データとするため、2004年度、上智大学で初習外国語としてドイツ語、フランス語、スペイン語を履修している全履修者のおよそ7割にあたる約1400人を対象とし、履修動機等に関するアンケートを行った。2015年度はその結果を分析し、上智大学言語教育研究センターの論文集Linguaに発表した。複数の外国語に関してを同じ手法で分析し、比較したたものである。同じヨーロッパ言語ではあるが、履修者の学部学科や履修動機等は大きく異なっているため、一律のカリキュラムを作る難しさが浮き彫りになった。 上智大学では、完全セメスター性の導入により、2016年度より、カリキュラム改訂が行われた。研究代表者及び分担者の3人が中心になっての改革で、その過程において、進行中の研究の結果を参考にしより効果的なカリキュラムの構築に努めた。 教授法の研究においては、グループで不定期に会合を持ち、それぞれの言語のクラスにおいて用いる手法等についての意見交換を行ってきた。その結果の発表として、獨協大学において、フランス語の教員向けに1時間半のワークショップを行った。参加者は約40人で、授業を活気づけるコツを説明するとともに、実際にスペイン語、ドイツ語、イタリア語のデモ授業を行った。 1月には、「外国語初級レベルでのCLILの実践と応用」と題するシンポジウムを開催、約80人が参加した。これは、CLIL内容言語統合型学習を、初習外国語の教育にも取り入れることができないかどうかを模索する試みである。地方からの参加もあり、同じようなカリキュラム改革を考えている研究者たちとの意見交換を行った。 2月、廣康は、380ページのスペイン語の文法書を出版した。スペイン語教育の視点から書かれた文法書で、違った言語の教員が意見交換をするグループでの集まりでの話題になった点をヒントにして書かれたものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
カリキュラムについては、他大学のカリキュラム調査の予定であったが、多くの大学のカリキュラムを調べるのに予想以上に時間がかかるため、あまり進展していない。その代わりに上智大学の英語教育の中で取り入れられているCLILのアプローチを初習言語に取り入れられないかという新たな目標が生まれ、その方面での研究を優先して進めている。若干の方向転換であるが、カリキュラムモデルを作ろうという本来の目標は変わっていない。
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今後の研究の推進方策 |
カリキュラムの構築についてはCLILの手法を取り入れたカリキュラムを初習言語でも取り入れられないかを中心に模索していく。外国語教育の歴史も長く、研究も進んでいる英語からは学ぶことは多い。2016年4月より、英語教育、特にCLILの専門家が分担者として参加し、言語間での協力をより深めていく。 教授法については、グループでの研究成果を発表する場として、ドイツ語、フランス語、スペイン語のみならず、どのような言語でも、授業のデザインに役に立つ、アクティビティ等のモデルや、ヒントを集めた実用的な冊子の作成を計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
1月に開催したシンポジウム「外国語初級レベルでのCLILの実践と応用」では、複数の講演者及びディスカション参加者にお話をお願いしたが、すべてが上智大学内の教員であったため、予定していた額よりも少ない講演料しかお支払いできなかったため、差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度に発行予定の冊子は、ページ数等が未定である。2016年度予算の大部分はこの冊子の発行及び郵送料に使用する予定であるが、予算が許す限り参加者を増やし、充実した冊子の作成をしたいと考えている。また外国に調査旅行の予定もあり、航空運賃等の変動にも対応したい。
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