研究課題/領域番号 |
26370642
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研究機関 | 京都ノートルダム女子大学 |
研究代表者 |
鷲見 朗子 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 教授 (20340466)
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研究分担者 |
鷲見 克典 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70242906)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 外国語 / 教授法 / 動機づけ |
研究実績の概要 |
動機づけアラビア語方略プログラムについては、27年度前期に準備や参加者募集を行い、夏休みに京都府で大学生対象のアラビア語集中講座合宿を5泊6日で実施した。多数の応募があったが、参加者は予定通りの45名にしぼった。講師はネイティブスピーカ講師が4名、日本人講師が3名であった。参加者に事後アンケートを記入してもらい、授業に関しては98%の参加者が「大変良かった」あるいは「まあよかった」と答えるなど、ほぼ全員が満足という結果であった。また講師による振り返りの会を合宿直後に行い、反省点をまとめた。 質問紙調査については、アラビア語集中講座合宿初日と最終日に参加者に対して計画通り実施し、調査結果のデータ入力を行った。 アラビア語ティーチングワークショップをアラビア語集中講座合宿の2日前に京都ノートルダム女子大学で実施した。ワークショップ講師として米ジョージタウン大学所属でエジプト出身のアラビア語教育研究者カースィム・ワフバ氏を迎えた。参加者は殆どが大学でアラビア語教育に携わっている13名で、北海道や関東から来られた方もあり、このワークショップへの興味の高さが感じられた。ワークショップの内容は、第1部が講義「アメリカおよびエジプトの大学におけるアラビア語教育の現状と課題」、第2部がアラビア語教育の実践例紹介とともにコミュニケーション力の育成やモチベーション向上についてのワークショップであった。英語とアラビア語で行われ、参加者からは、他のアラビア語教育者と意見交換でき、自分のティーチングについて考える貴重な機会を得たというようなフィードバックがあった。 27年度の終盤には、約1週間アラビア語教育とアラブ文学についての中国調査にでかけ、北京、寧夏、上海の大学を訪問した。各大学のアラビア語とアラブ文学の授業を見学し、アラビア語専攻の教員、院生と面談を行い、中国におけるアラビア語教育について知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず、動機づけアラビア語方略プログラムであるアラビア語集中講座合宿を計画通り実施できたことが第一の理由としてあげられる。参加申込数も定員の2倍近くにのぼり、3レベルの学習者が参加し、調査に必要な質問紙データを得ることができた。 次に、外国語としてのアラビア語教育の豊富な経験を有するエジプト人講師招聘により、アラビア語ティーチングワークショップを開催したことである。日本のアラビア語教師がほかの教師との交流を育み、自らの教育哲学と手法を省みる機会を設けることができた。 最後に、中国におけるアラビア語教育がどのように行われているかを現地で目の当りにしたことで、日本のアラビア語教育との共通点と相違点を確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
27年度のアラビア語集中講座合宿の計画準備を含めた実施内容を振り返り、反省点などを明らかにすることにより、28年度のアラビア語集中講座合宿をより質の高いプログラムにしていく。質問紙調査に関しても、必要があれば、再調整を行い、より精度の高い調査になるように工夫する。 アラビア語ティーチングについての研究会と海外アラビア語プログラム調査については、28年度に余裕があれば実施したいが、まずは動機づけアラビア語方略プログラム2年目の実施の用意を周到に行い、成功に導きたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
アラビア語集中講座合宿のために、海外から招聘を計画していたアラビア語ネイティブスピーカ講師が入国ビザの関係で来られなくなったため、日本国内に居住するアラビア語ネイティブスピーカ講師に参加を依頼した。海外から来るはずであった講師にかかる旅費が浮いてしまったので、20数万円の余剰金が出た。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度のアラビア語集中講座合宿に海外でアラビア語教育の実績をあげている優秀な講師を招聘する講師にかかる費用にあてたり、アラビア語ティーチングワークショップ、あるいは海外調査への費用に充当したりする計画である。
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