研究課題/領域番号 |
26370645
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研究機関 | 大阪国際大学 |
研究代表者 |
山本 玲子 大阪国際大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (60637031)
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研究分担者 |
石川 保茂 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (90257775)
野澤 孝之 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (60370110)
Jeong Hyeonjeong 東北大学, 加齢医学研究所, 研究員 (60549054)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 同調 / 超小型近赤外分光測定装置NIRS / 第二言語習得 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、授業内における教員の言語・非言語活動により誘発される学習者と教員の共振動が学習者の学びを発生・増幅させるという視点から、外国語学習における学習者と教員の共振動化を実現する空間創出のための方法論を開発することである。昨年度、授業での言語活動を開始する前に、リズムインストラクションという学習促進活動を実施することにより、身体的同調および脳活動同調が発生し、その身体的/脳活動同調は、その後の言語活動でも発生するという仮説を立て、実験を実施した。その結果、リズム的学習促進活動が身体的同調および脳活動同調を生むという点では仮説に合致する結果が得られたが、促進活動後の言語的学習活動中の効果には有意性が見られなかった。これは、実際の教育現場での統制の困難さに起因し、具体的にはリズム的活動や言語的学習活動の内容の非一様性や、教師が通常の言語的学習活動中でも生徒の学習を促進させるようより努力するという補償的プロセスに起因すると考えられた。そこで、統制可能な実験的環境で上述の仮説をより詳細に検証する追加実験を行い、リズム的活動が身体および脳活動の同調、言語的学習活動に与える効果を検証した。結果、リズム運動が教える側と教えられる側の社会的協調・ラポールを高めることと、脳活動同調が身体同期の学習への作用効果の指標として有効であることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に実施した実験が期待と異なる部分があり、今年度、追加実験を実施したため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度においては、実験環境を大学生の言語スキル獲得型授業に変更し、その授業で実施される言語グループ活動におけるグループ・フローと教師・学習者間のコミュニケーションの関連を、学習者集団・教師双方の脳活動測定により確認し、学習者集団と教師の「グループ・フロー」を実現する空間創出のための方法論の開発を試みる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度に実施した実験が期待と異なる部分があったため今年度追加実験をし、その結果を受けて、来年度の研究を行うため。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度においては、実験環境を大学生の言語スキル獲得型授業に変更し、その授業で実施される言語グループ活動におけるグループ・フローと教師・学習者間のコミュニケーションの関連を、学習者集団・教師双方の脳活動測定により確認し、学習者集団と教師の「グループ・フロー」を実現する空間創出のための方法論の開発に旅費や人件費・謝金を支出する計画である。
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