研究成果の概要 |
日本の英語教育が「言語を用いて何ができるか」という行動中心主義に向う中で,コミュニカティブな教材でドイツ語を学ぶ大学生の教材評価や動機づけ,学習環境に対する認知を探った。質問紙調査の結果,教材は肯定的に受け入れられているが,学習の進行とともに文法訳読法を好む傾向を示した。聴き取り調査の結果,高校の英語教育が学習観の形成に深く関わっていた。しかし,動機づけにとって重要である自己決定理論の基本的心理的欲求を充足する学習環境によって,学習観が変化することが確認された。学習環境には各教師のビリーフが大きく影響し,同じ教材でも授業の作業形態や作業時間の推移に多くの差異が生ずることが明らかになった。
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