研究課題/領域番号 |
26370647
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
辻 和成 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (00368549)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ESP / EBP / プロジェクトマネジメントのための英語 / 会議英語 / 国際コミュニケーションマネジメント / 言語監査 / ニーズ分析 / ジャンル分析 |
研究実績の概要 |
本基盤研究である『大学と企業における実践的EBP教育の展開と接合』では、日本経済の中核を担う製造業に着目し、高等教育機関と産業界におけるESP(専門英語)教育のための要因と診断・設計プロセスを明確化することを目的としている。2015年度は、前年度実施した国際ビジネスにおける英語使用に関する調査結果を精緻化すると同時に実践的EBPプログラム・バリエーションのアプローチと内容を明らかにするため、定性分析(インタビュー)を計画・実施した。具体的には、グローバル企業で社員英語研修の立案に携わるビジネスパーソン5名を対象としたグループ・インタビューを東京で1回実施し、さらに法人に英語教育を提供している語学教育機関3社を対象に東京と大阪にて個別にデプス・インタビューを実施した。グループ・インタビューの調査対象者は1,000名以上の従業員を有する製造会社に10年以上勤務し、社員の語学教育・グローバル人材育成事業に携わった経験を持つビジネスパーソンとした。またデプス・インタビューでは、企業など法人の語学教育やグローバル人材育成プログラムを設計・展開している語学研修機関の幹部・中堅社員を対象とした。今回の定性調査から、経営側からみた社員英語教育の課題と現状、語学教育機関が提供する英語研修のバリエーション、そして語学教育機関が企業に行う語学教育コンサルテーションに関する基礎データを収集することができた。またそれぞれのインタビューから、グローバル企業や語学教育機関が期待する大学における英語教育やグローバル人材教育に関する情報も収集することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本事業は4つのステージに分け主な調査研究テーマを決め展開している。 第一ステージ(2014年4月~2014年12月):国際プロジェクトにおける英語使用の実態調査とニーズ分析、第二ステージ(2015年1月~2015年9月):部門と国際プロジェクトにおけるテクストと語彙の分析、第三ステージ(2015年10月~2016年6月):EBPプログラムのバリエーションに関する調査、第四ステージ(2016年7月~2017年3月):大学と企業での実践的EBP教育の展開と接合に向けた提言 上記の計画に照らし合わせると、現時点において第一ステージと第三ステージの調査研究テーマは予定通り進んでいるが、一方で第二ステージの研究テーマはやや遅れ気味である。これは本事業計画実施における運用面において、第三ステージの研究テーマである「EBPプログラムのバリエーションに関する調査」が第一ステージで実施した「国際プロジェクトにおける英語使用の実態調査とニーズ分析」とより関連性が高くその実施時期を早めたことが一因である。その結果、企業経営側(社員英語教育に携わる人事部等の部署)と、法人に英語研修を提供する語学学校側からみたEBP教育の展開に関するデータ、そして大学と企業でのEBP教育の展開と接合に関するデータの精緻化と収集ができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は前科学研究費助成事業(2011年4月~2014年3月)で実施した企業の部門(経営部門、開発部門、購買部門、生産部門、営業部門など)での英語使用実態調査とニーズ分析結果、そして本事業でこれまで調査研究してきた国際プロジェクトにおける英語使用実態とEBPプログラムのバリエーションに関するデータの分析を総合的・体系的に進展させると同時に、多少遅れ気味である「部門と国際プロジェクトにおけるテクストと語彙の分析」を具体化したい。そして、第四ステージの研究テーマである「大学と企業での実践的EBP教育の展開と接合に向けた提言」に結びつける計画である。
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