研究課題/領域番号 |
26370650
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研究機関 | 福岡女学院大学 |
研究代表者 |
細川 博文 福岡女学院大学, 国際キャリア学部, 教授 (10249625)
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研究分担者 |
高谷 建廷 福岡女学院大学, 国際キャリア学部, 准教授 (80723121)
大橋 由美 福岡女学院大学, 国際キャリア学部, 准教授 (90594101)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | インタラクティブな授業 / 教室談話 / 英語指導法 / 英語指導効果 / 教師の試み / 生徒の反応 |
研究実績の概要 |
本研究は「インタラクティブな英語授業を生み出す発問及び教室談話の研究」をテーマとして、中学・高等学校における英語指導法改善のための具体的な提案を行うことを目的とする。研究対象には小学校における外国語活動及び大学での英語教育も含める。 平成26年度は「アンケート調査」を実施して中学・高等学校の指導法に関する現状把握を行った。アンケートは50問からなり、①回答者情報(4問)、②インタラクティブな指導法の「育成」(6問)、③現在行っている「指導法」(5問)、④インタラクティブな指導法の「効果」(10問)、⑤インタラクティブな授業のための「教師の試み」(15問)、⑥英語でのインタラクションに対する「生徒の反応」(10問)の6項目で構成した。質問紙は九州圏内(山口を含む)を中心に中学校100校、高等学校124校を抽出し、各学校5枚のアンケート用紙(解答はマークシート)を郵送した。その結果、58校(回収率25.9%)から199枚の回収を得た。 分析の結果、大学の教職課程でインタラクティブな理論的指導を受けた教員は半数以下であり、実践的指導を受けた教員は中学で41.0%、高校で34.7%であることが分かった。一方、教職に就いて以後の研修で指導を受けた教員は中高共に6割を超え、教員間で指導法に関する情報交換を希望する者は中高共90%を超えた。しかし、いぜんとして文法訳読式指導を行っている教員は半数にのぼり、コミュニカティブな指導法への移行がさらに必要である。ただ、インタラクティブな指導法が4技能の育成に有効であり、特に生徒の表現意欲や英語総合力の育成に効果的であると考える教員が7割から8割いることが分かった。インタラクティブな授業での生徒の反応については、理解の点では効果があると認識している教員が多いが、生徒による積極的な発言や動機の向上についてはまだ課題が残ることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
校務上で突発的な問題(科研研究とは関係なし)が発生したためその対応に時間を取られ、質問紙の作成・発送が遅れた。それに伴いアンケートの回収が3月末となったため、詳細な分析が遅れている。また、本研究には小学校の外国語活動も含めているが、それに関するアンケート調査は2年目に行うこととした。ただ、回収されたアンケートからは興味深いデータが検出されたため、2年目の研究計画には支障をきたさないと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2年目となる平成27年度は本研究で最も重要な段階に入る。初年度のアンケート調査結果を基に、授業研究協力校を抽出し、小・中・高・大で授業のビデオ撮りを行う。中心となるのは中学・高校であるが、授業観察を通してインタラクティブな指導法の利点及び課題を分析する。また、研究協力校の英語教員に聞き取り調査を行い、現場教員が抱える問題を収集すると共に分析を行う。最終年度に「指導法改善へ向けた提案」を行うためのデータ収集及び分析が中心となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査を実施したが、回収が年度末となったため郵送費のうち受取人払い分が未払いとなっている。また、小学校に対してアンケート調査を行うことができなかったため、その費用を繰り越して使用する予定である。同様の理由で、研究協力校への出張を実施しなかったため、出張旅費が残額として残っている。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度は小学校に対してアンケート調査を行う。また、研究協力校への出張が増えるため、出張旅費として使用することになる。
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