研究課題/領域番号 |
26370663
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩崎 克己 広島大学, 外国語教育研究センター, 教授 (70232650)
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研究分担者 |
吉満 たか子 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (20403511)
HARTING AXEL 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (80403509)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | e-ラーニング / コンピュータ支援外国語学習 / ブレンデッド型学習 / 語彙学習用教材開発 / ドイツ語教育 |
研究実績の概要 |
計画の最終年度は、広島大学における1年生のドイツ語学習者523人対し、基礎動詞100語に関する語彙テストを実施するとともに、授業担当教員16人に対しても、授業の際に重視する点に関するアンケート調査を行い、それらの結果を分析した。まとめると以下のようになる。(なお括弧内の数字はいずれも相関係数) ①一般クラスとインテンシブクラスの平均点はそれぞれ62.1と84.9であり、学習意欲と学習時間により、語彙力には顕著な差が出た。②集団全体の成績は正規分布しているが、各クラス内は語彙力に差のある複数のグループに分かれている場合が多い。③教科書に出現した個々の語彙の全体としての使用率と正解率には正の相関(0.54)があるが、個々の教科書における調査語彙のカバー率と語彙テストの成績には相関はない。④語彙テストの成績と各教員の授業における重点の置き方に関しては「自分のことを表現する(0.62)」「きれいに発音する (0.62)」「正確に読み解く(0.48)」「日本語に訳す(0.45)」「発音から接続法までしっかり学ばせる(0.47)」にそれぞれ正の相関が見られた。⑤個々の動詞の正解率の平均は0.64であり、正解率のピークを規準にすると高い方から4グループに分類できる。⑥第1グループには,「自己紹介」の文脈で多用される動詞,英語からその意味を類推可能な動詞等の明確な意味的・語形的特徴がある。第2グループにも空間的な位置関係や移動を表すと解釈できる動詞が比較的多い。第3グループ以降には意味的・形態的な特徴は見られないが、構文的な特徴ととして、正解率が低いグループになるほど,分離・非分離動詞の比率が増え,より複雑な構文で使用される動詞が増える傾向が見られた。⑦教科書での使用と正解率を規準に分析すると、教科書に登場した動詞をどれ位取りこぼしなく学習できたかがテスト結果に影響していることが分かった。
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