研究実績の概要 |
本年度は主に英語の自動詞・他動詞・構文に関する先行研究の文献研究を行った。まず、5文型(Onions,1904, 1971)、7文型(Quirk, Greenbaum, Leech, and Svartvik, 1985)、動詞の型(Hornby,1954, 1975)、パターン文法(Hunston and Francis,2000)、構文文法(Goldberg, 2006他)を概観し、いわゆる文型(sentence pattern)的アプローチから、個々の動詞の振る舞いに重点を置くと同時に構文(construction)自体にも積極的に意味を持たせるアプローチへとシフトする過程を辿った。また、自動詞の分類に関しては、言語類型論を出発点とし、どのような経緯で非能格動詞(unergative verb)と非対格動詞(unaccusative verb)といった2分類が生じたのかについて、関係文法(Relational Grammar)を参照しつつ考察した。さらに、ergative verb(能格動詞)という用語の由来についても検討した。英語の自動詞の分類としては、2分類の欠点を補う4分類(Liu, 2008)の有効性について教育英文法の観点から考察した。なお、2014年度に採用されている中学校英語教科書6社分をコーパス化し、次年度以降の研究の準備を整えた。
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