研究課題/領域番号 |
26370676
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研究機関 | 東京純心大学 |
研究代表者 |
高橋 千佳子 東京純心大学, 看護学部, 教授 (80350528)
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研究分担者 |
松谷 明美 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (60459261)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 英語の時制・相 / 認知言語学 / 視聴覚教材 |
研究実績の概要 |
本研究では、日本語を母語とする大人の英語学習者(大学生)が母語との違いを理解しながら、目標言語である英語の動詞の時制・相を習得できるための動画視聴覚教材を用いた教授法を開発し、従来型の授業と比較することでその効果を検証することを目的としている。特に平成27年度は英語単純形と進行形を組み合わせた教材・教授法の完成を目指していた。平成26年度3月までに視聴覚教材を完成させ、4月にレベルわけテスト、5月~6月にかけて視聴覚教材を用いた授業と従来型の授業を実施して統計的に処理して効果を比較した。7月にはイギリス、ニューキャッスルで開かれた国際認知言語学会に参加して最近の研究動向を探り、学会理事の一人であるジョージタウン大学大学院教授で研究代表者の指導教授からも本研究に関するアドバイスを得ることが出来た。秋には研究成果をまとめて平成28年1月にタイで開かれた国際学会で発表したところ「わかり易い」とのフィードバックを得た。発表原稿を論文にまとめたものが査読を経て学会論文集に掲載された。 研究代表者個人の研究では、平成28年度研究の準備として、もう一つの相である完了相に関する研究を進め、看護系論文における英語現在完了受動態の役割について研究ノートとして本学紀要にまとめた。 平成27年度に行った研究の意義として以下の3点を挙げることが出来る。1.英語進行形の視聴覚教材を完成した。2.国際認知言語学会に参加して最新の研究動向に触れ、指導教授からのアドバイスを得た。3.平成28年度研究に先立ち、英語完了形に関する理論を整理して認知言語学と談話分析の手法を用いて看護系論文を分析した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
英語単純形と進行形の視聴覚教材を完成した点は順調であったが、残念ながら十分な効果が統計的に実証できなかった。これは動詞タイプによる微妙な意味の違いを被験者が十分に理解しきれなかったためであると分析している。ただし、最近の研究動向が確認出来、指導教授からのアドバイスも得られたことは心強い。さらに、英語完了形に関する先行研究を整理・分析して平成28年度研究のための準備も行うことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度に十分な効果が実証できなかったことから、内容を精査・修正して平成28年度前期に再度、単純形と進行形の視聴覚教材と従来型授業との比較を行い、後期には完了形に関する教材も作成したい。平成28年度は最終年度となることから教材を完成させて学会発表および論文執筆につなげたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
テロなどの危険を避けるため、米国やヨーロッパでなくアジア(タイ)で学会発表を行ったため渡航費が節約された。また、学期中であったので短期間の滞在で済ませたこともあり、支出額が抑えられた。
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次年度使用額の使用計画 |
テキスト完成に向けて英文原稿作成者や実験協力者への謝礼と学生アルバイトへのアルバイト代、海外での研究成果の発表、コーパスデータの購入などに使用する予定。
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