研究課題/領域番号 |
26370679
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研究機関 | 京都ノートルダム女子大学 |
研究代表者 |
東郷 多津 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 准教授 (40237045)
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研究分担者 |
神月 紀輔 京都ノートルダム女子大学, 心理学部, 教授 (20447874)
高橋 朋子 大和大学, 教育学部, 講師 (10388796)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 英語教材開発 / 学習者主体 / 経験的学習開発 / 評価基準 / テスト課題分析 |
研究実績の概要 |
年度当初の研究実施計画に基づき、以下の実績を上げることができた。 ・学習を支援する教材作成方法の整理:多人数クラスで実践した中から、リメディアル学習者が主体的に取り組める課題であり、かつ、グローバル人材育成に主体的に取り組める課題を整理、選択することができた。研究分担者である神月紀輔京都ノートルダム女子大学教授から助言を受け、教材の電子化を踏まえた修正を行う準備ができた。 ・授業設計と実践:研究分担者である高橋朋子大和大学専任講師、連携研究者の西之園晴夫京都教育大学名誉教授(特定非営利活動法人 学習開発研究所代表)、ならびに研究協力者の望月紫帆奈良教育大学特任准教授との共同研究により、リメディアル学習者を対象とした「授業実践を通して得られた経験知から学習開発を行う」枠組みの概要をまとめることができた。 ・学習者が習得すべき知識の調査:1)研究協力者である田中美和子京都ノートルダム女子大学非常勤講師が、学習者の実態をもとに、得られた知識と得られなかった知識の整理を行い、その結果を取り入れた文法事項を新たな教材に反映することができた。2)研究分担者高橋朋子氏の職能能力と評価項目に関する研究協力を得て、教材における評価基準を修正することができた。3)研究協力者である吉野康子順天堂大学准教授の研究から、教師採用試験における問題傾向を知ることができた。 ・成果発表:大学英語教育学会の国際大会において、学習者を主体とした授業目的とその成果に関するワークショップを開催し、知見の披露と意見交換を行った。また、研究分担者、連携研究者および研究協力者は、それぞれの分担分野において、論文及び口頭発表を行った。実践と研究の成果として印刷本を作成することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の取り組みとしては、以下の理由おいて、おおむね順調と判断した。 ・平成26年度の研究実施計画との照合結果:上掲の研究実績の概要に示した通り、各事項をほぼ満たす実績を上げることができた。 ・教材の公開:印刷物として公開することができた。当初予定であった、電子化については、研究分担者の助言を得ながら、準備を進めている段階である。 ・実践の拡大:教材の修正や文法の整理が行われた結果、これまでのリメディアル学習者に加え、英語を専門とする学部学習者に対して試行可能となった。 ・研究内容変更に伴う適用修正:連携研究者の所属変更等の事情により、研究の内容や成果について若干の修正が必要となった。たとえば、これまでの英語学習のレビューは教員採用試験のレビューとなり、学習者のこれまでの知見ではなく、学習者が求められる知見が整理されることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
協同学習、教材作成方法の確立 初年度の研究実施計画はおおむね達成できたので、引き続き、平成27年度とそれ以降の研究実施計画に基づいて研究を行うこととする。ただし、所属変更に伴う研究体制の変更に伴い、以下の事項については計画を修正する。 ・適用範囲:当初の目的は、リメディアル学習者を対象とした教材作成であり、その教材を使って英語を自律的に学習することによって、いかにグローバル化に適用した人材として育成することができるかを研究し、その結果を、教材として学習者に、方法論として大学で同様の問題を抱える担当教員に普及することであった。教育系の所属先変更による連携研究者から研究分担者の変更に伴い、今年度以降は、リメディアル学習者と大学教員から、その前の段階の英語教育を担う教員レベルへの普及を視野に入れる。 ・成果発表範囲:上記適用範囲の拡大に伴って、小・中・高等学校教員を含めた成果発表の場を模索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費、その他費用については、今年度作成した冊子の印刷費の支払いが、次年度のはじめにずれ込んだ。加えて当初、実施計画より研究が進んでいたため、電子書籍化を進めるための予算として使用計画を修正し確保していたが、諸問題のために、電子書籍化に時間がかかり、予算執行がかなわなかった。 旅費、人件費については、研究分担者のうち1人が、事情により、予定していた研究発表を行えなかったため、また、人件費については、アルバイトとして確保していた人材の事情で継続雇用できなかったため、当初予定の予算執行が行えなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度の残金は、次年度初めに冊子印刷代として支払う予定である。また、次年度前半に電子書籍化が実現予定であるため、そのための費用としても支出予定である。 また、旅費、人件費残に関しては、研究協力者の所属機関変更による研究分担者の増加に伴って、分担金として配分予定である。
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