研究の最終年度である本年度は、まずオンライン英語多義語辞書の見出し語ひとつひとつのコンテンツについて、再度記述スタイルを徹底的に統一することから始めた。通常の辞書記述に加えて、本研究の最も重要な特徴であるアニメーションを活用した解説について、詳細に議論を繰り返した。アニメの絵コンテは、見出し語および見出し語の各語義について作成し、ひとつひとつが全体としての首尾一貫性を保っているかどうか、細かく吟味を繰り返した。中高生向けであることから、アニメで使用する色(赤・青・緑)に認知言語学の概念をそれぞれ象徴させ、専門用語を用いることなく、認知言語学の成果を活用することを可能にした。これにより、アニメーションを繰り返し見ることで、ひとつひとつの前置詞に共通するイメージが自然に形成され、前置詞の体感的な理解につながる。 本研究の最終段階として、専門的な知識を持つ専門家にウェブサイトの構築およびアニメーションの作成を依頼した。ウェブサイトの構築に当たり、委託者と詳細な打ち合わせを行うことにより、ウェブのインターフェイスにおける研究成果の効果的な提示と、対象とする中高生にとってユーザー・フレンドリーな操作性を満たすことができた。アニメーションに関しては、絵コンテだけでは理解の難しい側面もあり、修正の必要な箇所も少なからずあったが、綿密な打ち合わせを重ねることにより、なんとか期限内に完成に至ることができた。
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