英語学習においては、紙ベースの教材を用いた「紙による学習」が長く行われ、その伝統の中からNote-Taking手法などの学習法が実践されてきた。その一方で、ICTの普及に伴い電子媒体によるWebを活用した学習法も急速に普及してきている。 本研究では、「紙による学習」と「Web学習」を融合させ、両者の優れた特徴を活かして独自の効果的な学習方法を開発した。この学習法では、授業と授業外の学習を連動させ、授業外においても学習者が自律的な振り返り学習ができる指導法を考案した。また、Note-Taking手法を活かした紙ベースの「調べ学習」から、その理解度を確認するための「Web理解学習」、データベースを活用した学習履歴(英文、和訳、語彙などの入力情報)に基づくサポート支援などを組み込んだ「英文法Web学習支援システム」と「総合英語Web学習支援システム」を開発した。 さらに、Web学習支援システムで利用するための教材開発にも取り組んだ。「総合英語Web学習支援システム」では、基礎から実践まで多様なレベルに対応できる英語教育を目指しており、英語4技能の育成のために、基礎的な英語学習用として(株)浜島書店から教材提供を受け、それに基づくネイティブスピーカによる音声を組み込んだ学習教材を開発した。その他にも、実践的な英会話や英文学などの専門教育に向けた教材作成に取り組み、イギリスUniversity of LeedsのLanguage Centreの協力を仰ぎ、多様な英語学習教材の開発を目指した。イギリスでは英語学習を英文学研究に結びつけていくための資料収集も行ない、教材開発に利用した。 そして、開発したWebシステムは複数の大学に公開提供し、学習実験による成果は学会発表や論文投稿を通して公表する予定で作業を進めている。現在、本格的な公開を目指したWebサイトの準備も行っている。
|