研究課題/領域番号 |
26370692
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
小林 葉子 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (00352534)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 欧米英語圏 / アジア英語圏 / (ノン)ネイティブ / 留学動機 / 言語学習動機 / 言語イデオロギー / 異文化コミュニケーション |
研究実績の概要 |
過去4年間に行った調査(若手研究B「海外語学研修後の効果持続性:「異文化的」体験世代の増加と言語教育の課題」)を土台にし、初年度の以下の研究計画を実施した:
(1)文献調査とデータベースを使っての予備調査を実施した; (2)上記の成果をStudy-in-Progressとして二つの国際学会にて口頭発表した(以下参照のこと); (3)こうした学会参加滞在中に参加者たちとネットワークを行い、本調査(結果・計画)に対するフィードバックや今後の調査実行にあたり有効な現地情報などを入手した。同時に、関連研究を実行している研究者とともに共同学会発表を準備することとなった(以下参照のこと); (4)これまでの成果をManuscript-in-Preparationとしてまとめ、有識者よりフィードバックを得た; (5)現時点で確認できたことは次のような点である:(i) 英語学術文献の中で非常によく使われるOuter-CircleとWorld English(es)にあたる日本語学術用語「準英語圏」・「世界英語」の浸透度・使用度が低いこと;(ii) 政府関係者、現地・引率スタッフ、参加学生によるプログラム文書(宣伝・回想)の中ではそうした用語が見られないこと;(iii)そうした「東南アジア英語圏での英語研修の良さ」言語をテキスト分析すると、(使い回れているような)類似表現が多くみられ、既に言説のイデオロギー化・再生産が起こっていること(例:「多民族」「多文化」「多言語」「多様性」);(v)その言説の特徴は「Inner-Circle英語圏での英語研修の良さ」言説とは明らかな違いが見られること(例:「ネイティブ」という用語の欠如)。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究に関連する和文(英文)文献はまだ数が少ないため、文献調査でも苦労することが多いが、上記にもまとめたように、学会参加中での人的交流・情報交換などにより、予定になかった短期的・長期的成果を得ることが出来た(学会共同発表案、など)。こうした成果を踏まえ、来年度以降の計画予定(フィールド調査を含む)をより独自性のあり、かつ実行面で現実的なものに再考・調整することが出来ている。
|
今後の研究の推進方策 |
基本的に研究計画に基づいて、研究を推進していく予定である。今年度は現地でのデータ収集を開始すると同時に、国内学会において2件の共同発表を行う予定である。
|