研究課題/領域番号 |
26370692
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
小林 葉子 岩手大学, 人文社会科学部, 准教授 (00352534)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 英語研修先としてのアジア準英語圏 / 英語研修先としての欧米英語圏 / (脱)欧米人英語ネイティブ志向 / ビジネス雑誌の英語学習特集記事 |
研究実績の概要 |
前年度まではアジアの準英語圏での英語研修に関する言説研究や現地スタッフへの調査を行ってきた。研究成果によると、アジアの準英語圏での英語研修に対する肯定的な言説・意見や、欧米での英語研修とのすみ分け・差別化を意識した言説や意見が明らかになった。 こうした教師や研究者側の見方を踏まえ、本年度は研修体験者からデータを収集した。具体的には「アセアン準英語圏での英語研修経験者100名」と「欧米英語圏での英語研修経験者100名」に対して、研修動機とその他の研修先(アセアンか欧米)での研修経験の有無と興味の程度について調査をした。その結果、アセアン研修経験が脱欧米優位志向を意味するわけではないことが明らかになった。 具体的には、アセアン英語圏経験者(6割が男性、集団研修が8割)の7割が欧米研修も経験しており、経験者の7割が男性であった。つまりアセアン英語圏研修への団体参加者は工学部系学生や企業研修生(男性)が多く、そうした男性たちの所属環境が海外研修を提供(要求)する傾向が強いことが明らかになった。一方で、欧米圏研修経験者(7割が女性)の中でアセアン研修「未」経験者は7割以上で、アセアン研修の興味の有無は57:42(%)であることから、欧米圏研修経験者には多少の欧米志向があることが示唆された。さらに、欧米圏とアセアン英語圏での英語研修のきっかけや動機に関する自由記述を総合的に分析した。 上記の調査と並行し、複数のビジネス雑誌が特集する「英語学習」記事をデータとし、その中で見られる「アジア化する語学留学空間」言説についても調査を行った。その結果、教育現場と比べると脱英語ネイティブ志向が見られるものの、「アジア英語」「国際英語」といった用語が恣意的に使われており、学術的知見が及ぼす影響が限定的であることが伺えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予算的な制限はあったが、おおむね計画通りに研究を実施できた。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に研究計画に基づいて、研究を推進していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由:参加する予定であった研究会を体調不良のため、欠席したため
次年度使用額の使用理由:研究会参加のために使用する予定
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