研究課題
基盤研究(C)
東アジア人学生の間では、欧米英語圏に加えアセアン準英語圏での(英語)留学が一般化しているが、まだ研究が進んでいない彼らの経験について調査した。歓迎すべき結果に加え(例:アセアン準英語圏大学付属英語プログラムで働く地元教師たちの高いプロ意識)、次のような課題となる結果も得た:(1)アセアン準英語圏での有意義な滞在経験にも関わらず「ネイティブ英語」志向に変化が見られない;(2)英語留学に関するメディア言説(例:シンガポール人はみなシングリッシュ話者)に対し応用言語学知見が与える影響は限定的である。
応用言語学
アセアン準英語圏における英語研修という選択肢が身近になった今、日本人英語学習者たちの英語観に変化(多様化)の兆しが見られたことは教育的に大きな意味にあると思われる。その一方で、アセアンでの満足すべき研修経験が「脱(欧米ネイティブ・本場の)英語志向」の切り札にはならない可能性が高いという結果が得られた。この結果を踏まえ、海外研修を奨励していく中で、アセアン研修(と欧米英語圏研修との)の位置づけを再検討していく必要性が明らかとなった。