研究課題/領域番号 |
26370696
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
笠井 千勢 岐阜大学, 地域科学部, 准教授 (90352450)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 第二言語習得 / Bilingual cognition |
研究実績の概要 |
本研究は第二言語を習得することで、学習者の内面に起こる認知変化を調査することを目的としている。最終的にはその変化を脳内の血流を測定することで明らかにすることを目指している。本年度は心理実験を充実させることに専念した。異なる英語力を保持する被験者を対象に心理実験を行い、英語力が高い者と低いものでは物の見方、とらえ方が異なることを発見した。 具体的には、Nisbett (2009) が使用したfish tank experiment をもとに独自の実験を開発した。Nisbettは、東西の文化によって人々の思考過程が異なることを提唱するが、今回開発した実験では被験者が習得した言語の数(一言語であるか、二言語であるか)によって思考過程が異なるか調査した。結果、日本人の大学生を対象にした実験では、英語力が高い被験者は背景に英語が流れる環境で実験刺激を提示されると、より分析的な物の見方をすることがわかった。一方、英語力が低い被験者は背景に流れる言語が日本語、英語と異なってもそのような傾向は見られなかった。 これらの発見は、The Sixth CLS International Conference (CLaSIC 2014)、The 16th Annual International Conference of the Japanese Society for Language Sciences (JSLS20134)、The 14th Annual Conference of the Japan Second Language Association (J-SLA2014)の3つの学会において成果報告をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基礎となる心理実験は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのデータを基に、実験の精度を上げデータ収集にあたりたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度計画した調査を予算の範囲で決行できたため、当初配分されていた金額との差額を次年度に持ち越すことにした。
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次年度使用額の使用計画 |
持ち越した差額があることを念頭に置き、本年度適切に使用する予定である。
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