研究課題/領域番号 |
26370701
|
研究機関 | 静岡文化芸術大学 |
研究代表者 |
横田 秀樹 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (50440590)
|
研究分担者 |
白畑 知彦 静岡大学, 教育学部, 教授 (50206299)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 文法習得 / 英語教育 |
研究実績の概要 |
本研究では、中学3年間の英語学習の効果を検証することを主たる目的とするが、それぞれの文法項目が、指導を受けた後、どのような「知識」として定着しているかを検証してきた。前年度までは、第一の目的である「中学修了生の英文法の習熟度を調査し、その実態を客観的に明らかにすること」に取り組み、概略、明示的文法指導の効果がある文法項目と効果を示さない文法項目が存在するということをそれぞれ詳細に示し公表したが、本年度は、第二・第三の目的である「なぜそのような難易を示すのか、言語理論、第二言語習得研究からの成果を基に説明すること」「明らかにされた各英文法の難易度が、どのような外的要因によって影響を受けているのか」についての研究をそれぞれの特徴的な文法項目について深く掘り下げた。結果として、否定文やWh疑問文に関しては、do支持やwh要素の着地点が問題となっていることや、動詞の習得ではAnimacyの判断の影響が深く関与していることなどが明らかになってきた。それらの研究成果は、以下のような学会にて発表した。Annual Conference of the European Second Language Association 26(Finland)、Pacific Second Language Research Forum 2016 (Chuou University)、The 35th Second Language Research Forum 2016 (Columbia University)、The Seventh CLS International Conference 2016 (U-Town (NUS) Singapore)。また、以下のように論文として公表した。中部地区英語教育学会紀要第46号、PacSLRF2016 Conference Proceedings.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は4つある。第1の目的は、中学修了生の英文法の習熟度を調査し、その実態を客観的に明らかにすることである。第2の目的は、なぜそのような難易を示すのか、言語理論、第二言語習得研究からの成果を基に説明することである。第3の目的は、明らかにされた各英文法の難易度が、どのような外的要因(例:使用した教科書の相違、文法項目の出現頻度・導入順序、教室での指導方法の相違等)によって影響を受けているのか、または受けていないのか調査することである。第4の目的は、本研究成果を口頭発表や出版物を通し広く公表することであるが、すでに概ね第1の目的は達成し、第4に即して公表しており、残る第2および第3の目的をできる限り詳細に明らかにすべく実験調査を行っている。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度である29年度も、昨年度に引き続き第2・第3の目的である「なぜそのような難易を示すのか、言語理論、第二言語習得研究からの成果を基に説明すること」および「明らかにされた各英文法の難易度が、どのような外的要因によって影響を受けているのか」についての研究を、特に何度が高い文法項目(Wh疑問文および各動詞の習得)についてさらに詳細に実験・調査していく予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成28年度においては、年度末に予定していた研究出張をキャンセルせざるを得なくなったため経費の使用額に差が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
上記の研究出張は翌年度に予定されて適正に使用していく予定である。
|