本研究では日本語を母語とするドイツ語学習者の語順と冠詞の習得について、インタビューによる発話および作文データを用いた調査を行い、1年間のドイツ留学期間中のドイツ語使用の変化とその要因を考察した。定動詞の位置に関しては、主語以外の要素を前域としてもつXVS構造には調査期間を通じて不安定さが残ることから、前域となり得る要素の区別・理解が必要だと考えられる。冠詞使用については、調査期間を通じて冠詞の省略がみられることから、学習者のL1(日本語)が影響していると考えられるが、一般化可能な習得段階よりも個人差の方が大きいと考えられる。
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