本研究は、アジアにおける国際共通語としての英語の音声的特徴の解明とその言語間比較に関するものである。調査の対象とする6つの言語と国際共通語としての英語について、閉鎖子音の声帯振動の開始時間(Voice Onset Time, VOT)と母音のフォルマント周波数について音響分析を行った。その結果、母語の音声的特徴により異なった学習状況が見られるが、閉鎖子音と母音の学習について、言語間の音響上の距離が重要であり、学習者は英語の特徴に近似させる方向で音声的特徴を学習していることが明らかになった。これらの結果より、学習モデルとして、知覚同化モデルが有意に作用していると考えることができる。
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