初級英語学習者を対象とした課外での英語多読が、読み・語彙・情意の諸側面に早い段階でどのような影響を及ぼすか、多面的に縦断的研究を行った。その結果早い時期から、①情意面では英語及び英語学習に対する肯定的な態度・動機づけが高まる、②日本語に訳さないで英文のまま理解しようとするストラテジーが多用されるようになる、③読みの速さ、語彙認識の速さが向上するが、読みの正確さは影響が表れにくい、④視線解析の調査から、英文を読む際の停留回数が減少するという読みの質的変化が生じることがわかった。多読の好ましい影響として早い時期から何が表れやすく、何が表れにくいかを考慮して、多読を指導計画に組み込むことが望ましい。
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