多言語・多文化に開かれたリテラシー教育を考えるとき、複言語・複文化主義はその前提として欠かせないものである。では、複言語・複文化主義に基づく複言語教育はどのように実現されるのか。ドイツ語圏スイスで行われているPassepartoutは、初等教育段階から始める複言語教育の先進的な事例である。Cummins (1981, 2005)、Hufeisen & Gibson (2003)等を理論的背景とし、統合的教授法でカリキュラムを組み、行動・内容中心、言語と文化に対する気づき、言語横断的授業等5つの要素を教授上の概念に組み込んでいる。複言語教育は、外国語教育を含む従来の言語教育とは一線を画する。
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